今回は不妊と関係している「フタル酸エステル」という物質について説明させて頂きます。
フタル酸エステルはプラスチックやゴム製品を軟らかくして形成しやすくしたり、強度を高めたりするために使用される化学物質です。
この化学物質は以前から問題視されております。
(体内に入れるわけじゃないから問題無いよね?)と思うかもしれません。
しかし、そうはいきません。
なぜなら経皮吸収があるからです。
この事実についての興味深い論文が、環境科学の国際誌Environment International, Volume 112, (2018, 269-278)に発表されています。
容器、食器、ストロー、店員が使うゴム手袋、食品を包む紙など、ありとあらゆる場所で使われており、この容器に付着しているフタル酸エステルと食品が接触することで反応します。
そして溶け出し食品内にも混入しているのではないかと指摘されております。
実際にファストフードやコンビニ食品ばかり食べている男性は体内のフタル酸エステル濃度が35%も高いという研究結果もあります。
そしてフタル酸エステルの濃度に最も大きな影響を受けていたのは10代~20代前半の若者と言われており、この事実からもやはりファストフードやコンビニ食はなるべく控えたほうが良いとされていますし、若年層の不妊化が進んでいるのにも納得ができます。
いまやファストフードやコンビニ食が健康的では無いということはほぼ常識とされております。
※ちなみに米国・ジョージ・ワシントン大学とカリフォルニア州立大学の共同研究チームは環境科学という観点からも化学物質である「フタル酸エステル」に注目しています。
そしてフタル酸エステルのうちの数種類が内分泌系(ホルモン)に悪影響を及ぼす可能性が示唆されており、女性においては乳がんや不妊症を引き起こす原因になると考えられています。
男性の場合はスーツをクリーニングに出した際にスーツを覆っているビニールをすぐに外し、数日風通しのいい場所に置いておくだけでも経皮吸収の影響が下がると言われております。
ご参考までに。
あまりヒステリックになってもいけませんので、まずは積極的に「良い物を取り入れる」というより「悪い物を入れない」という意識でゆるく取り組むほうが色々と長続きしそうですね。