【クラップフェンの森にて】は、ウィーンの作曲家ヨハン・シュトラウス2世が作曲したポルカ(♪♪♩というリズムが特徴のチェコの民俗舞曲)です。2拍子の速い踊りに陽気な雰囲気が漂います。
ポルカは男女がペアになって踊りますが、ワルツのように密着する振り付けがないので、素朴で健全とされ広まりました。(昔の運動会のフォークダンスみたいですね)ヨハン・シュトラウス2世は160曲以上のポルカを書いています。
この【クラップフェンの森にて】ではオーケストラが休符で止まる度に、かっこう、かっこう、と本物そっくりに鳥笛が演奏します。(鳴きます)わざと音程をちょっと外したとぼけた鳥笛の音色が、聴いている人をリラックスさせます。ウィーンフィルニューイヤーコンサートでも、新年を迎える喜びがこの曲で一層盛り上がり、聴衆のあふれる笑顔が映し出されます。
ところで、ピアノを弾いていてもレッスンしていても常に何拍子かを気にしていると、鳥の鳴き声にもついつい何拍子なのか?と拍子に当てはめたくなります。かっこうの鳴き方は、私には二拍子に聞こえます。
更に細かいことを申しますと『かっ・こう』の『かっ』に強拍がくるか『こう』にくるか…?も気になるところ。わたくし的には『こう』で一拍目で落ち着く、いわゆるアウフタクトから始まるリズムの方がしっくりくるのですが…。
【クラップフェンの森にて】はアウフタクトから始まるタイプ。フランスの作曲家ダカンが書いた【かっこう】やJonasson作曲【かっこうワルツ】も弱拍から入ります。反対に、初心者の本に必ず載っている三拍子のドイツ民謡【かっこう】は、一拍目から『かっ』『こう』と始まります。

さて、そんな鳴き声の面白さから、みんなに愛され世界中で奏でられるかっこうですが、その子育ては…。
まず自分の卵と見た目が似た卵が産んである他種の鳥の巣に潜入。次に元々産んであった卵を押しのけて下に落とし、そこに自分が産卵して立ち去る。何も知らない家主の鳥は気が付かないで他人(他鳥)の子を育て続ける…という驚きの方法です。
いえいえ、それはきっと何か深い訳があるはずですね…。自然界を生きのびるのは厳しいですから。
気を取り直してすがすがしい山を思い浮かべましょう。
あれ?山に行かなくてもかっこうの鳴き声はいつでも聞こえてきますね。そう歩行者信号機が青の時鳴るあの音です。これはしっかり二拍子で鳴っていますね。
