体温調節の仕組みはどうなっているの?
無意識のうちに体温を調節しています。
私たちの体では、皮膚にある温度センサーで寒さを感じると、脳にその情報が伝わり、熱を作る仕組みが無意識のうちに働いて、体温が低下しないようになっています。
1、褐色脂肪細胞で熱を作り、体温を下げないようにする
褐色脂肪細胞とは:哺乳類の体内に存在する、熱を産生する能力を持つ特殊な脂肪細胞です。
2、それでも足りない時は骨格筋をブルブルふるわせて、さらに熱を作り、体温を下げないようにする(感染によって発熱した時にも起こる)
1も2も、自分がこうしようと思って起こすものではなく、無意識に起こる体温調節の反応で、「自律性体温調節」と呼ばれます。
少し寒い時は、脳からの指令で褐色脂肪細胞が熱を生み出します。自律神経の一種である交感神経を通って、「熱を作れ」という指令がでます。
それだけでは体温が保てないほど低温になって、とても寒くなると、運動神経を介して「ふるえろ」という指令が骨格筋に届きます。その指令に基づき、骨格筋はブルブルふるえて、熱を生み出すという仕組みです。
ふるえによって、しゃべったり、歩いたりすることができなくなることがありますが、体温が下がってしまうほど寒い時には、そうした普段の運動(随意運動)を犠牲にしても、体温を調節することのほうが、生命を維持するには優先されると考えられます。
では、寒い時や熱が出る時に顔色が悪くなったり、手足が冷たくなったりするのはなぜ?
寒い時に体温の低下を防いだり、感染した時に体温を効率よく上げたり(発熱)するための仕組みとして、熱を逃がさないようにする反応があります。
皮膚表面近くの血管を収縮させて血流を低下させているのです。体の内部に血流を集め、体の外に熱が逃げるのを抑えています。顔色が青白くなったり、手足が冷たくなったりするのは、この仕組みによるものです。
寒い時に鳥肌がたつのはなぜ?
犬や猫のように体毛が豊富にある動物では、寒さを感じた時に脳からの指令で立毛筋を収縮させて毛を立てると、ちょうど厚手のコートを着るのと同じように断熱の効果が高まり、体温が逃げにくくなります。進化の名残で、人間でも同じように体毛が立つ反応が残っており、これが鳥肌です。ただし、残念ながら、体毛が少ないため、人間の鳥肌には、犬や猫のような断熱の効果はほとんどありません。
