年齢を重ねるにつれて「体が硬くなった」「足が上がりにくい」「振り向く動作がつらい」と感じる方が多くなります。
これは自然な変化ですが、柔軟性を意識的に育てることで、毎日の動作はぐっと快適になります。そこでおすすめなのが「ピラティス」です。
ピラティスはもともとリハビリから生まれたエクササイズで、体への負担が少なく、呼吸と一緒に動くためリラックスしながら取り組めるのが特徴です。
無理に体を伸ばすのではなく、筋肉や関節を自然に動かしながら柔軟性を引き出していくので、高齢の方でも安心して続けられます。
例えば「キャット&カウ」というエクササイズは、四つ這いになり、背中を丸めたり反らしたりする動きです。背骨の柔らかさを取り戻し、腰や肩のこわばりを和らげる効果があります。
普段の生活で前かがみの姿勢が多い方にとって、とても心地よいエクササイズです。
もう一つおすすめなのが「マーメイドストレッチ」。横座りの姿勢から体を横に倒し、ゆっくりと伸びを感じる動きです。わき腹や腰まわりが心地よく伸び、呼吸も深まりやすくなります。特に椅子に座る時間が長い方には、姿勢改善にもつながる嬉しい効果が期待できます。
柔軟性を高めることは、ただ体を柔らかくするだけではありません。転びにくい体をつくる、着替えや靴下の脱ぎ履きがスムーズになるなど、生活の中での安心感にもつながります。
さらに、柔らかさが増すことで動きが軽やかになり、外出や趣味も楽しみやすくなります。
また、ピラティスは呼吸を大切にするため、エクササイズ中に自然と胸が広がり、気分も前向きになりやすいのが魅力です。深い呼吸は血流を整え、体を内側から温める効果も期待できるので、冷えやこわばりを感じやすい方にとってもプラスになります。
高齢になってからの柔軟性向上は「やりすぎないこと」がポイントです。無理に強く伸ばすのではなく、気持ちよく呼吸できる範囲で動きを続けることが大切です。たとえ1日5分でも、コツコツと積み重ねれば体は少しずつ変化していきます。
健康でしなやかな体は、日常の小さな動きを楽しめることにつながります。ピラティスを取り入れて、無理なく柔軟性を育て、いつまでも自分らしく動ける体を目指してみてはいかがでしょうか。