年齢を重ねるにつれて多くの方が心配されるのが「転倒」です。転倒は骨折やけがにつながるリスクが高く、その後の生活の質にも大きな影響を与えることがあります。
しかし、日頃から体のバランス感覚や筋力を整えておくことで、そのリスクをぐっと下げることができます。そこで注目されているのが、体の深い部分の筋肉を意識して動かす「ピラティス」です。
今回は、転倒予防に役立つピラティスのエクササイズについてご紹介します。
なぜピラティスが転倒予防に良いのか?
転倒の大きな原因は「筋力の低下」「バランス能力の衰え」「姿勢の乱れ」の3つです。ピラティスは、表面的な筋肉ではなく、骨や関節を支える深層の筋肉(インナーマッスル)を強化します。これにより姿勢が安定し、ふらつきにくい体をつくることができます。
また、呼吸と連動したゆったりした動きで体の感覚を整えるため、自分の体を正しくコントロールする力も養えます。
自宅でできる簡単エクササイズ
ここで、転倒予防に役立つ簡単なピラティスエクササイズを2つご紹介します。
1. フットワーク(かかと上げ)
椅子に浅く腰かけ、両足を床に置きます。息を吸いながら背筋を伸ばし、吐きながらかかとを少しずつ持ち上げます。このとき、お腹を軽く引き込む意識を持つと、体幹も一緒に鍛えられます。ふくらはぎや足首が安定することで、つまずき防止に役立ちます。
2. スパインツイスト(背骨ひねり)
椅子に座り、両手を胸の前で組みます。息を吸って背筋を伸ばし、吐きながら上半身をゆっくり左右にひねります。骨盤は動かさず、背骨だけをひねるように意識しましょう。体幹の回旋力が高まり、歩行時のバランスが良くなります。
毎日の積み重ねが大切
どのエクササイズも、1回数分で十分効果があります。大切なのは「無理なく、継続して行うこと」です。日常生活に取り入れることで、足腰の安定感や姿勢の改善につながり、転倒のリスクを大幅に下げることができます。
まとめ
転倒を防ぐには、筋力だけでなく体を正しくコントロールする力が必要です。ピラティスはその両方を養うことができるため、年齢に関係なく取り入れやすい運動法といえます。今日から少しずつ取り入れて、安心して毎日を過ごせる体づくりを始めてみましょう。
