私たちは日々、さまざまなストレスやプレッシャーの中で生活しています。
そんな中で「深呼吸をしてみて」と言われたことはありませんか?
実際、深い呼吸は単なるリラックス法以上に、心と体に大きな影響を与える重要な役割を持っています。
自律神経と呼吸の関係
人間の体には「自律神経」という、無意識に体の調子をコントロールする神経があります。
この自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つに分かれます。
交感神経は緊張や活動を促す神経で、ストレスを感じると優位になり、心拍数や呼吸が速く浅くなります。
一方、副交感神経はリラックスや休息を促す神経で、ゆっくり深い呼吸をすると優位になります。
つまり、呼吸の仕方ひとつで、自律神経のスイッチを切り替えることができるのです。
息を「吐く」ことの大切さ
呼吸の中でも特に「吐く息」に注目してください。
息を長くゆっくり吐くと、副交感神経が強く働きやすくなり、心拍数が落ち着き、筋肉もゆるみます。逆に、息を浅く速くしてしまうと、交感神経が優位になり続け、心身の緊張が続いてしまうのです。ピラティスでは、動きに合わせて「吸う・吐く」を丁寧にコントロールすることで、体の内側からリラックスできる状態を作っています。
呼吸と心のつながり
深い呼吸を意識すると、自然と「今ここ」に集中しやすくなります。
これはマインドフルネスと呼ばれる状態に似ていて、過去や未来の不安から離れて、現在の感覚に目を向けられる効果があります。
体への具体的なメリット
呼吸が深まると、肺の動きが大きくなり、横隔膜や肋骨周りの筋肉も柔らかくなります。
その結果、姿勢が整いやすくなり、肩や首のこりが緩和されることも多いです。
日常でできる簡単な呼吸法
1. 楽な姿勢で座るか立つ
2. 鼻からゆっくり息を吸い、お腹や胸が膨らむのを感じる
3. 口を軽く開けて、ゆっくり長く息を吐き出す(吐く時間は吸う時間の1.5倍〜2倍が理想)
4. これを5〜10回繰り返す
忙しい時でも、トイレの中や仕事の合間にサッとできるセルフケアです。
まとめ
呼吸は私たちの心と体をつなぐ架け橋のようなもの。
深くゆっくり呼吸することで、心が落ち着き、体も楽になっていきます。
ピラティスのレッスンで学ぶ呼吸法は、まさにこの「呼吸の力」を最大限に引き出し、心身のバランスを整えるためのものです。
