私たちの体には、目に見える大きな筋肉と、深いところにあって目に見えにくい筋肉があります。いわゆる「インナーマッスル」と呼ばれるのは、骨や関節のまわりを包み込むように存在し、姿勢の維持や体の安定に重要な役割を果たしている、奥深い筋肉です。
普段の生活の中ではあまり意識されませんが、立っているとき、座っているとき、歩いているとき――実は常に働いてくれているのがこのインナーマッスル。表面の筋肉ばかりを鍛えてしまうと、体のバランスが崩れたり、関節や腰に負担がかかったりしやすくなります。見た目には筋肉がついていても、疲れやすかったり、肩や腰の違和感が消えない…そんな方は、インナーマッスルがうまく使えていないのかもしれません。
ピラティスは、まさにこのインナーマッスルをターゲットにしたエクササイズとして知られています。呼吸と連動させながら、小さく丁寧な動きで深層の筋肉を目覚めさせていきます。最初は「こんな小さな動きで意味があるの?」と思う方もいますが、続けるうちに「姿勢が楽になった」「腰が疲れにくくなった」「お腹の内側から引き締まる感じがする」といった変化に気づく方がとても多いです。
また、インナーマッスルを鍛えることは、見た目の美しさにもつながります。お腹が前に出てしまったり、背中が丸くなってしまうのは、体を内側から支える力が弱くなっているサイン。インナーマッスルをしっかり働かせることで、無理に力を入れずともスッと自然に良い姿勢を保てるようになっていきます。
年齢を重ねるごとに大切になるのが「見た目以上に中身の強さ」です。見えない部分を整えることこそ、将来にわたって自分の足で動ける体づくりの基本になります。体に大きな負担をかけず、無理なく続けられるピラティスは、どんな年代の方にもおすすめできる方法です。
「最近疲れやすい」「姿勢が気になる」「体のバランスが崩れてきた気がする」――そんな方は、ぜひ一度、体の内側を意識したトレーニングに取り組んでみてください。インナーマッスルを味方につけることで、体も心も軽やかに変わっていくはずです。
