キャロル

目黒川のほとり、少し人目を引く場所にある「喫茶＆スナック」。昼時には「営業中」の札が出ている、少し勇気を出して入る必要があるお店です。店内はまるで昔ながらのスナックを彷彿とさせ、カウンター席、ソファー席、ボックス席があります。地元の常連さんが昼から楽しんでいる姿が見られます。

ママはジーンズ姿でカジュアルながらも、明るく迎えてくれます。私は生姜焼き定食を注文しました。提供される料理は、まるでスナックのママが作るような、懐かしさと温もりを感じる味わいです。生姜焼きは少し甘めで、優しい味付け。添えられた糠漬けは酸っぱく、昔懐かしい味がします。

店内では地元の話や年金の話に花が咲き、まるで地域のコミュニティの一角のよう。この場所は、ただの食事を提供する場所以上の価値があります。消費税の値上げを感じさせない、心温まるサービスと料理で、700円の出費が惜しくない、そんな特別な場所です。

かつて仕事で忙殺されていた時代、深夜にスナックのドアを開けた経験が私にはあります。その時のママの言葉と、手作りのおつまみが忘れられません。今回訪れたこのスナックも、まさにそんな温かい場所。地元の常連だけでなく、誰もが落ち着いて食事ができる、そんな隠れ家的存在です。