内閣府の高齢社会白書(2024年版)によれば、65歳以上の人口が全体の29%を超える日本において、エステートセールは年間5000件以上の実施例がある遺品整理の手法です。欧米で確立されたこの方式は、故人の品を必要とする方々へと橋渡しの役割を果たしています。とくに都市部では、アンティーク品や昭和レトロな品々を求めるコレクターからの関心も高く、環境への配慮や文化的価値の継承という観点からも、その可能性が広がっています。
エステートセールとは何か
エステートセールは、遺品や住居の家財道具を整理・売却する手法で、欧米で確立された文化です。その特徴は、品物をその場所で直接販売することで、価値を最大限に活かせる点にあります。単なる売却ではなく、思い出の品々が新たな持ち主のもとで大切にされることを目指す、文化的な意義も持ち合わせています。
一般社団法人遺品整理士認定協会の市場動向調査によれば、遺品整理の需要は、2020年比で2024年には約30%増加し、とくに都市部での依頼件数が月間平均150件を超えています。その中で、廃棄よりも活用を望む声が高まり、エステートセールへの関心が集まっています。
現在、日本でのエステートセールは、2020年時点で年間実施件数が約5000件と、米国の年間10万件と比べて普及率が低い段階にあります。しかし、近年では専門業者の参入も増え、徐々に認知度が高まっています。
アンティーク品や昭和レトロな品々を求めるコレクターからの注目も集まり、新しい文化として定着しつつあります。また、環境への配慮や、骨董品や昭和初期の家具など、専門家による適切な評価を経て、市場価値の70-80%での売却を実現するという観点からも、その重要性が認識され始めています。
エステートセール開催までの基本的な流れ:
事前相談・現場確認(無料/オンライン相談可)
見積り提示・契約(概算費用と売却予想額の提示)
現場調査・写真撮影(詳細なインベントリ作成)
専門家による価値評価(美術品・骨董品の鑑定含む)
開催日程の決定・告知(SNS・専門サイトでの告知)
当日の販売会(2日間程度を推奨)
清掃・現状回復(建物の補修対応含む)
所要期間の目安:
通常案件:約2~4週間
大規模案件(4LDK以上):約3~6週間
緊急案件:最短1週間(応相談)
※物件の規模や状況により変動します
