夫の突然死という状況は、家族にとって大きな転機となります。今までずっと寄り添ってきた人が亡き後も生きる手段を見つけなければいけません。その専業主婦にとって生活を支える重要な仕組みとなるのが「遺族年金」です。しかし、遺族年金はその仕組みや受給条件、手続きの複雑さから詳しく理解している方は少ないかもしれません。本記事では、遺族年金に関する基本的な知識を分かりやすく解説し、専業主婦が具体的にどのように対応すべきかをご紹介します。
遺族年金と遺族厚生年金の違いとは
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。それぞれの特徴を以下にまとめました。
遺族基礎年金
対象者:主に18歳未満の子どもがいる配偶者。
支給条件:
国民年金に加入している、または加入資格を有している夫が死亡した場合。
保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせて「原則10年以上」あること。
特徴:子どもがいない場合は受給できない。
遺族厚生年金
対象者:厚生年金加入者の遺族(配偶者、子ども、孫、父母、祖父母)。
支給条件:
厚生年金に加入している夫が死亡した場合。
保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせて「原則10年以上」あること。
特徴:
子どもがいない場合でも配偶者が受給可能。
配偶者以外にも、一定条件を満たす子ども、孫、父母、祖父母も受給資格がある。
たとえば、夫が国民年金しか加入していなかった場合、専業主婦は遺族厚生年金を受け取ることはできません。夫の職業や年金加入状況に応じて、受給できる年金が異なる点に注意しましょう。
遺族年金を受給するための基本的な条件
遺族年金を受給するためには、次の条件を満たしている必要があります。
年金加入期間
夫が死亡時点で年金保険(国民年金または厚生年金)に加入しており、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせて「原則10年以上」であることが条件です。
未納期間が多い場合は受給資格を失う可能性があります。
受給資格者
配偶者(主に妻)
18歳未満の子ども(障害がある場合は20歳未満)
条件を満たす場合、孫、父母、祖父母も対象となることがあります。
収入制限
配偶者が年収850万円以上の収入を得ている場合、遺族年金が減額または停止されることがあります。
これらの条件を満たしているか確認し、必要な手続きに早めに着手することが重要です。
