ほそ川

日野駅から少し歩いた住宅地にひっそりと佇む「隠れ蕎麦屋さん」に訪れました。歩いて約15分、川崎街道から中央高速道路の下を越えて到着するこの店は、外から見ただけではお店とは思えないほどの普通の家の風貌です。店の前まで来ると、暖簾と営業案内が目印です。

店内に入ると、靴を脱いで上がるスタイルで、約20畳の広々とした空間に木製のテーブル席や掘りごたつ式の席が整然と並んでいます。木のフローリングと木製の衝立で構成された内装は、落ち着いた色合いで温かみがあります。

提供される蕎麦は、北海道幌加内産のキタワセと福井県産のヌキを自宅で石臼で挽き、打った自家製粉の二八蕎麦です。天もり蕎麦をいただきましたが、透明感のある白っぽい蕎麦は延し厚く、細い扁平な形状で、喉越しを重視した味わいが特徴です。

付け合わせの天ぷらは海老と野菜で、衣の状態と揚げ具合が申し分なく、塩を振って楽しみました。食後には自家製豆腐もサービスで提供され、大豆本来の旨みが感じられる滑らかな舌触りが印象的でした。

店主はサラリーマンから転職され、14年前にこのお店を開業。ご夫婦二人で切り盛りしており、その人柄も相まって、非常に温かみのある空間でした。地元で人気のお店なのも納得の味とおもてなしです。再訪を心から楽しみにしています。