AIが作曲したり、小説を書いたり、絵画を描いたりという話を聞くと、どんどん人間社会に入り込み、今まで人間だけが出来たことが、すべてAIにとって代わられる様に思われますが、まだまだ入り込めない領域もあるようです。
その中の一つは日本語・英語の翻訳です。特に日本の政治家の同時通訳は、熟練した通訳者でも途方に暮れる場合があるそうです。
「ここらでひとつ褌を締めて」とか、「手に唾をつけて」といった様な、直訳では欧米人が引いてしまいそうな表現が至るところに出てきます。
ある大臣がアメリカに行った際の挨拶で、「貴国とわが国の因縁は浅からぬものがある。なぜなら、アメリカのことを日本では米国と書くし、日本の主食は米である」アメリカは Americaでいいのかな? では、米国は?やはりAmerica???? 「米国と米」の関係。どう説明すればいいのか。まだまだAI翻訳には荷が重い様です。
新型肺炎の注意事項が外国語版に掲載されましたが、「手洗いが重用です」の訳が「トイレが重要です」となっていました。どうやら、AI翻訳が気を利かせすぎたのか「手洗い」→「お手洗い」→「トイレ」となったようです。
また、大坂地下鉄の堺筋線の英訳は「サカイ・マッスル・ライン」。通りを意味する筋を、筋肉と間違えた様です。御堂筋線、今里筋線も同じ様に誤訳されていそうです。列車の3両目は、「アイズ・スリー」と直訳。なるほど、目ですね。
日英翻訳だけかと思っていたら、英語とロシア語の翻訳も思う様に行っていないようです。「精神は貴い」という英語がロシア語になったら「ウォッカはおいしい」。となりました。スピリットは英語で「精神」の意味もあるが、「蒸留酒」という意味もあって、勘違いした様です。英語のままなら「ウイスキー」か「バーボン」でしょうが、ロシアなので「ウォッカ」。精神が貴いであれば、お酒ならおいしいが適当とばかりに訳したようです。
こんな可愛い誤訳をしてくれるとなんともほほえましくAI翻訳ソフトの頭を撫でたくなります。しかしこれも人間を上回る完璧なソフトに成長する日が来るかもしれません。
そうなった時、人間はどんな生活をしているでしょう。仕事が無くウォッカをあおる日々でしょうか。仕事は機械に任せてゆったりとお酒(私としては日本酒)を楽しむゆとりある未来でしょうか。
