アナログとデジタル(その7)
ここまでは、身近にあるものを例にアナログとデジタルの違いについて説明してきました。おぼろげながら違いが見えてきたのではないでしょうか。「自分の認識通りだった」という方もいれば「なるほど、今まで意識していなかったが、何となく違いが見えてきたぞ」という方もいると思います。
次にコンピュータが扱いやすいと言われるデジタルは、アナログ信号からどの様にして作られるのでしょうか。その例として音の記録方式をもとに説明します。
40年ほど前までは音の記録はアナログ情報として保存されていました。
レコード、カセットテープ(その昔はオープンリールのテープレコーダー)がアナログ音源の記録方式です。この方式は音の波(音波)をそのまま記録します。レコードの場合は音の波をそのまま溝の形に刻み込み記録します。その溝の形を針がなぞって針の振動を磁気に変換し、さらに電流に変換してスピーカーから音として聞こえてきます。カセットテープも音の波を磁気の変化としてそのまま磁気テープ表面に記録します。この磁気テープから磁気ヘッドが磁気の変化を読み取り、電流に変換して音として外に出します。
いずれの場合も連続している音の波をそのまま記録して、そのまま拾い出しています。
しかし、この方式には弱点があります。長い間レコードの溝を針でこすり続けると摩耗して音が忠実に再現できなくなります。これがノイズとなってきます。カセットテープの材質であるポリ塩化ビニルも経年変化し伸びたり、ヘッドでこすり続けるうちに摩耗したりします。これがレコード同様ノイズになります。また、多くのオーディオマニアが経験していると思われますが、コピーすると外部のノイズを拾って音質が劣化します。
現在では、音の記録はCDやDVD、ブルーレイ(BD)等にデジタル情報として保存されます。では音をどの様にして記録しているのでしょうか。
