アナログとデジタル(その6)
こう考えていくと、アナログは古いもの、デジタルは新しいものあるいは電子的なものという感覚になりますが必ずしもそうではありません。確かに、デジタルはコンピュータが出来てから急速に発展してきましたが、デジタルを意識したかどうかは分かりませんが、昔からの計算機にデジタルの概念を取り入れたものがあります。
紀元前から利用されている「そろばん」がそれです。計算のために玉を上にあげたり下げたりして計算しますが、玉の動きが離散的な動作を行いますのでデジタル計算機に分類されます。電卓(電子式卓上計算機)もデジタル計算機になります。
アナログの計算機としては、計算尺があります。400年ほど前にイギリスで発明されました。対数の原理を使い、乗除算、三角関数、対数、平方根、立方根の計算に使用されました。加減算は出来ません。得られる結果は有効数字3桁程度の概数です。60年から70年前のエンジニアには必須の計算アイテムでしたが、電卓の登場により衰退し現在ではほとんど見かけなくなりました。
