パソコンの「C」ドライブ(後段)
この「IBM PC/AT」の仕様に「最大2台のフロッピーディスクドライブ(FDD)を搭載する」という一文がありました。
この当時、ハードディスクドライブ(HDD)は大きくて高価なものばかりでしたので、パソコンに搭載するなどと言うことは考えられませんでした。それでOSのローディングやアプリケーションのローディングは全てフロッピーディスク(FD)から行われていました。また、作成したデータもFDに書き出していました。FDDが1台では、ソフト用のFDと記録用のFDを頻繁に出したり入れたりしなければならず煩わしいため、FDDを2台搭載する仕様としました。
この2台のFDDに「A」「B」が割り当てられていました。
HDDの高密度化、低価格化でパソコンにも搭載出来るようになると、HDDに次のアルファベットの「C」が割り当てられました。OSがHDDにインストールされ、HDDから起動出来るようになると、容量の少ないFDDは徐々に不要になってきました。
Windows95が発売された当時は、HDDの他に、FDD2台がまだ残っていたため、「A」「B」「C」のすべてのドライブが揃っていましたが、FDの記憶容量が少ないため次第に使用されなくなってきて、CD-ROMやUSBメモリが出始めたWindows98辺りからFDDを搭載するパソコンが極端に少なくなってきて、現在では全く搭載されなくなってしまいました。
この様な経緯で「A」「B」は欠番的な扱いとなってしましました。「C」を「A」に変えれば、という発想も無くはなかったのですが、なにしろ、ドライブの割り当てはハードウェアの仕様であり、パソコンを起動したときにBIOSで割り当てられるため、OSレベルでは割り当てを変更できませんでした。
こうして現在に至るまで「Cドライブ」が継続して使われています。
