コンピュータは人間が生きていく上で必要か?
私が会社に入社した当時、先輩より「人間が生きていくために必要なものが4つある。すなわち『空気』『水』『食料』それと『コンピュータ』だ。」と。
最初の3つはなんの疑いもなく肯定できましたが、4つ目はかなり違和感が有りました。しかし、その人は自信満々で「20年後、30年後は必ずそうなる。」と言っていました。
「わが社がコンピュータメーカだから身贔屓でそう言っているのかな。」程度に聞き流していました。
大企業でさえ、1台のコンピュータを沢山の部門で共有して使っていた頃のことです。中小企業においては、コンピュータとは何か?コンピュータで何ができるのか?というレベルでした。
たしかに、銀行や郵便局のオンラインシステムが漸く構築されてきた頃で、都市銀行の口座に入金しておけば、旅行先でその銀行の支店からお金をおろすことが出来、たいへん便利なものだと思ったものでした。JRの切符はどの駅に行っても、あまり待たされること無く、指定券がとることが出来、これまた便利になったものだと思っておりました。
しかし、「生きていくために必要か?」と言われると甚だ疑問です。各家庭にパソコンが入る20年以上も前のことです。
ところが、現在、日本国民の約7割の人がスマートフォンを所有しています。20代、30代では9割以上の普及率となっております。常に肌身離さず持ち歩き、知らない事が出てくればネットで調べ、場所が分からなければ地図を出し、事故が有れば写真や動画を撮り、知人との連絡はその場ですぐ発信し、特にやることが無くなればゲームで楽しむ。まさにスマートフォン無しでは生活が成り立たなくなってきている様に思われます。
単純比較はできませんが、現在のスマートフォンは20年前の大型コンピュータ相当の性能を持ったコンピュータです。そう考えると、先輩の行っていたことがあながち「ホラ話」とも言えないなあと思う今日この頃です。
