がん(癌)は日本人にとって身近で怖い病気です。
仮にかかってしまったとしても、何とか早期に発見してしっかり治したいと願うと思います。
がんは全身のさまざまな部位にできます。
日本人に多いのは胃、大腸、肺、前立腺、乳房などで、
これらの部位はさまざまな診断機器を使った検査が発達してきているため、
早期発見率も上がってきています。一方で、直接目に見える場所なのに早期発見がなかなか進まないがんがあります。
それは、「口腔がん」です。
某タレントさんの舌癌が大きく報道された影響で、日本中の方が自分の舌や口の粘膜に関心を持ちました。「口腔がん」という悪性腫瘍があることを初めて知った方も多いと思います。
今回はこの「口腔がん」についてお伝えします。
先日、理事長からこのようなお話を伺いました。
「広島で開催された日本アンチエイジング歯科学会学術大会でショッキングな講演がありました。
口腔がんの患者が世界中で増えているというのです。
口腔がんはがん全体の中での比率は高くありません。
しかし、進行して手術が必要になると顔面や舌の一部を切除しなければならないことがあり、
形態や機能を回復するのに胸の筋肉を持ってきたり、それは大変なことになります。
以前口腔外科の病棟を見学させていただいたとき、
顔の一部を切除された方を見ましたがそれはとても気の毒としか言いようがありませんでした。」
某タレントさんが舌癌で舌の6割近くを切除し、
太ももの皮膚や皮下組織を舌に移植するという11時間にも及ぶ大手術を受けました。
その後、リハビリを続けて2020年に活動を再開させていますが
元の状態に戻るのは極めて困難な状態だと思います。
では、なぜ口腔がんになるのでしょうか。その理由については次回お伝えします。
