いりょうほうじんしゃだんゆうほうかい こどもめんたるくりにっくしば
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幼児から中学生までの児童精神科の診療をしています。診療の対象になる状態・症状を述べていきます。
発達検査をして、標準的な発達からの進み・遅れを見つけることには、二つの意味があります。一つは、それぞれのこどもさんなりの特徴をつかんで、「発達の芽」をさがしてのばしてあげることです。発達検査に加えて、子育てに携わってきた方から詳しくお話を伺うことから発見できる「芽」も沢山あります。その芽を大事にしていきたいと考えています。
二つ目は、いろいろなサービスを受けるためには、診断が必要だという現実です。教育関係でも、また福祉サービスでも、サービスを利用するためには、「認定」が必要だという現実があります。サービスを受けることで、親にも子にも余裕ができて、その余裕のおかげで「伸び」が見られることもしばしばです。適当なサービスについての相談は医師も精神保健福祉士も携わりますので、ご相談下さい。
漢字は読めるが書けない、計算は出来るが文章題は不得意、などのご相談が多く見受けられます。学校で特別の配慮をしてもらうかどうかは、どの保護者の方も迷うところです。検討すべき項目はたくさんあります。本人が受け入れているかどうか、どう受け入れているか、担任の先生の姿勢、クラスの雰囲気、どんな支援が受けられるか、兄弟・家族は受け入れているかどうかなどを検討するお手伝いをするのが私たちの役目と考えています。検査はもちろんですが、環境・状況の検討・調整も児童精神科の大切な仕事と考えています。
ADHDの項目とも重なります。一番の問題は、周りは心配しているにもかかわらず、当のこどもさんご本人は自覚がないことです。本人は自分は普通だ、いつものようにやっているのに叱られる、一生懸命やったのに注意されると思っていることがほとんどです。
クリニックに連れてくるだけでも、どの保護者の方も苦労されています。
私たちの第一の仕事は、なんとかこどもさんに「その気になってもらう」ことです。来院したこどもさんの心の片隅にある「ほんとはちょっとまずいんだ。なんとか叱られないようにならないかな。」という気持ちをうまく引き出すことに、全力をかけています。
今回のアメリカ精神医学会の診断基準・DSM-Vは、とても実際的です。重い軽いの程度は支援・援助の必要度に応じて決められます。全部の例をあげたわけではないといいながら、症状についての例示はとても丁寧になっています。
院長の武石は、昭和57年から14年間、千葉市立病院の児童精神科で働いていました。当時、児童精神科の入院病棟は全国で十に満たない数しかありませんでした。30ほどの病床しかない児童精神科専門病棟でしたが、いろいろな方が入院をされ、治療にあたりました。自閉症の子どもさんもいて、24時間預かっての診療で、たくさんの経験をつみました。
当時、自閉症と診断された人がみずからを語ることは、とても少数でした。いまは、その数が増えてきました。千葉市立病院での自閉症のこどもさん達とのつきあいで感じたのは、「この子たちは、まわりの大人をみているぞ」ということでした。
自らを語り出した(たとえば東田直樹さんの「この地球(ほし)にすんでいる僕の仲間たちへ」という本など)人たちの本を読んだり、話しを聞くと、以前感じていた「まわりを見て、感じているぞ」という印象は間違いではなかったとわかります。
それ以上に、自閉症の外側の姿だけを書き出した診断基準と、自閉症と診断された人が自分自身の「内側」について語る内容の違いを目にすると、まだまだ私たちの医療は自閉症の人の心に届いていないと思わざるを得ません。
一人一人の人が、それぞれの個性をもった悩みを抱いていることを踏まえて、自閉症スペクトラムの方々に接していこうと診療を行っています。
次の三つを特徴とする発達障害と言われています。1)不注意 2)多動性 3)衝動性。発達障害にいれられていますが、ADHDであって活躍している著名人もたくさんいます。(自らADHDとカミングアウトしている人も多数います)
診断・診療の目的は、ADHDと診断するだけではなく、各人の特徴を把握してうまくコントロールできる方法をみつけていくことになります。
どの診療でも当然ですが、なにか別のことからADHDの症状がおきているのではないかをチェックすることは必要です。(と言って、不要な検査までする必要はないと考えています。全例にMRI、脳波などは必要ないことです)
症状は場面、場所、相対する人が誰かなどでも大きく違います。なんでもなかったところに突然症状が現れてきたように思えることもあります。
なんといっても、家族の方、育てに携わってきた方、そしてご本人から詳しくお話しを伺うところから診療は始まります。私たちの脳は話していると連想力が働き出し、忘れていた重要な出来事も思い出すことができます。その上で、必要に応じてアンケート形式のチェックリストをおねがいすることもあります。
ご存じの様に、診断基準はその改定のごとにどこか違ってきます。素直に考えれば、そんなに変わっていいの、と誰でも考えます。私たち医療の側の人間もそう思います。診断基準にいわれていることの「本質」をきちんとつかんで診断・診療することをいつも頭においています。
児童精神科の診療の一つの特徴は、周囲の環境、対人関係などの調整です。ADHDでも同じです。学校での先生との関係、同級生との関係、クラブの先輩との関係、親との関係、祖父母との関係、兄弟との関係、たくさんの関係の編み目のなかで対処を考えなければなりません。
さまざまな対応方法(薬の投与もふくめて)があります。どれを選択するのかは、この関係の編み目の分析をふまえて決まっていきます。
学校も含め行動療法が用いられることが多くなっています。行動療法は「オーダーメード」でないとなかなか効果を発揮しません。本人と環境にあった方法、それもやれるところから、成功しそうなものからやっていくのがこつです。
成功体験をつみかさねて、下がっている自己評価をあげてあげることも、診療の実は大切なポイントです。
家庭のなかで、親・兄弟とはよく話し楽しくすごしていても、一旦家庭の外へでると体を堅くしてしゃべらなくなることを、場面(選択性)緘黙症と呼んでいます。学校では一言も口をきかなくとも、家では見てきたこと、聞いてきたことを饒舌に報告することもあります。第一に、こういう状態があるのだということを周囲の人間に了解してもらうことから治療は始まります。学校の先生との連携をとりながらすすめます。
怒りを自分でコントロール出来るようにすることを目指します。お話しをよく伺って、まだ結果としてはうまくいっていないにしても、ご本人がなんとか自分の怒りを静めようとしている行動を見つけ出す作業を家族のかたとします。本人の努力の「芽」を育てることで、コントロールの力をつけていきます。遠回りで辛抱強く努力が必要です。そうして得られた力は長続きします。
肩をあげたり、首をふったりという運動性のチックはめずらしくありません。なんらかの手立てを考えてあげなければならないのは、「音」をともなうチックです。鼻すすり、鼻ならし、空咳、舌打ちなどは、教室で目立たないようにする努力だけでも相当な疲労になるようです。最適な量をみつけての薬物療法でチックそのものは治まることがほとんどです。
気をつけなければならないのは、チックは体の病気でいえば「発熱」に似ていて、熱が下がったから風邪が治ったわけではないのと同じで、チックがみられなくなったから、チックの原因が解決したわけではありません。いろいろな気持ちを抑えこんでいることが多くみられます。こどもさんへの心理療法を薬物療法に追加しておこなうこともあります。
今回のDSM-Vでは、抜毛は強迫性障害のグループにはいりました。とめたいがとめられない、やめようとするとかえって気になるという現象です。ご本人と周囲の大人とのあいだの悪循環(抜く→周囲からの忠告→抜くまいと努力、それを分かってくれない→いらいら、抜く→なお強い注意→抜くまいと努力、・・・・)から抜け出す作業をしながら、原因をさがします。原因は一つとは限りませんから、一つずつ対応していくことになります。
不登校の原因は多種多様です。十人十色で、決まった方法で解決しようとしてもうまくいきません。時には、原因と結果が逆になっていたり、働きかけ・声かけが状態を悪くしていたりと、二重三重の悪循環の輪のなかに落ち込んでいるときすらあります。
一つ一つと外堀を埋めるように解決にむかってすすむことが、結果としては一番の解決方法であることもあります。
ご本人、ご家族、学校、そして私たち医療の人間とが協力・連携していく必要のある課題と考えて診療にあたっています。
『統合失調症がやってきた』(ハウス加賀谷、松本キック著)を読みました。ハウス加賀谷さんが、初めての幻聴を聞いたのは中学生の時だったと書いています。 情緒の不安定としか呼びようがない状態の子どもさんで、後で実は「悪口が聞こえていたんだ」と語ってくれたことがありました。周囲が困る情緒の不安定さも、心のなかの思わぬ体験が原因であることもあります。外へは見せまい、隠しとうそうとしている子どもさんを連れての来院は難しい時には、保護者の方の相談という方法もありますので、クリニックに電話をしてみてください。
こどもたちは相手によって、態度・言動が変化します。学校と家庭でもちがいます。男親と女親でもちがいます。
こどもと対する保護者がかわると、こどもの言動が変化するのをみると、原因はこどもにはなく、大人の側にあると思いたくなります。「対応方法を変えればいい」というアドバイスから、保護者間での対立が生じることもよく耳にします。
当院の場所は、都内のビジネス街で働いている保護者の方にも来院しやすいところを選
びました。こどもはどうしても、母親と父親では振る舞いがかわります。それが、父母の
意見の相違をうむことにもなります。来院の時間が取りにくかった働く保護者の方からの
情報・意見でこどもさんを立体的・具体的にとらえることができて、治療が進展したこと
が多数あります。
都内で働く保護者の方が、時間休や半休を利用したり、帰りがけに来院していただけたらと思います。