新しい水引の世界を探し求めて十年余り、多くの方々との出会いが今の作品の原点となりました。
国際文化交流に参加した私は、海外の方々が、日本の水引を熱心に学び、新しいアイディアを取り入れようとする姿を見て、大変感銘を受けました。この出会いがなければ、その後水引を手にすることはなかったでしょう。
それからの私は「ハレ」の場だけではなく「日常楽しめる水引」をコンセプトにWadern STYLE「ワダンスタイル」、和とモダンをテーマとした作品を作っています。伝統工芸とは人に愛され、使われてこそ、その価値があります。人々が興味を失い、用いなくなれば、水引は取り残され、後世に伝わることなく忘れ去られてしまうでしょう。
美しい日本の水引を伝統文化として残すために、水引の内にある日本の心を広く世界に伝えるために、日々少しずつ進化し、より良いものをつくり出すことが私の最大の喜びです。