可動性(モビリティ)は、関節の動く範囲だけでなく、その動きをコントロールする能力を指します。単に筋肉を伸ばす柔軟性とは異なり、関節・筋肉・神経系が協調して機能することが重要です。そのため、可動性を高めるには動きの中で関節を動かし、神経筋の連携を促進するトレーニングが効果的です。
その方法の1つとして「ダイナミックストレッチ」があります。これは筋肉や腱を動的に伸ばしつつ、関節の可動域を徐々に拡大するアクティブなストレッチ方法です。
ダイナミックストレッチは単なるウォームアップ以上の意味を持ち、神経筋制御の改善に繋がるため、正しい動作パターンの形成やスポーツパフォーマンスの向上にも寄与します。静的ストレッチと違い、筋力低下を招くリスクも少なく、競技前の準備運動として理想的です。
ただし、可動域の限界を無理に超える動きや、急激な振り子運動は怪我のリスクを高めるため、コントロールされた範囲で丁寧に実施することが重要です。トレーナーとしては、個々の身体状況に合わせて動きの質を重視した指導が求められます。
