皆さんは「柔軟性」と「可動性」の違いをご存知でしょうか?
似たような言葉ですが、実はそれぞれ意味が違います。この違いを知っておくと、より効果的に体を動かせるようになり、ケガの予防やパフォーマンス向上にもつながります。
柔軟性とは、筋肉や腱が「どれくらい伸びるか」を表すもの。たとえば前屈して手が床に届くのは、太ももの裏(ハムストリングス)などがよく伸びる=柔軟性が高いからです。こうした動きは、自分の力ではなく外からの力や重力などを使って行う「受動的な動き」です。いわゆる「体がやわらかい」というのは、この柔軟性のことを指します。
一方の可動性(モビリティ)は、「関節を自分の筋力でどこまで動かせるか」を示すものです。たとえば、寝転んだ状態で自力で脚を高く上げられるかどうかは、可動性の高さによります。これは「能動的な動き」であり、筋肉の柔らかさだけでなく、筋力、バランス感覚、神経の働きも影響します。
わかりやすく言うと、柔軟性は「どこまで伸ばせるか」、可動性は「どこまで動かせるか」。どちらか一方だけが高くても、思い通りに体を動かしたり、ケガを防ぐことは難しいのです。
健康的に、しなやかに動ける体をつくるには、柔軟性と可動性の両方をバランスよく高めることが大切。目的に合わせてストレッチやトレーニングを取り入れていきましょう。
