産後の尿漏れ(尿失禁)は、多くの女性が経験する一般的な症状です。特に、妊娠・出産によって骨盤底筋(膀胱や尿道を支える筋肉)が弱くなることで起こります。
産後の尿漏れの原因
骨盤底筋の緩み
妊娠中や出産時に骨盤底筋が伸びたり傷ついたりして、尿道をしっかり締められなくなる。
ホルモンの変化
出産後、エストロゲン(女性ホルモン)の低下により、筋肉や組織の弾力が弱まる。
膀胱の圧力の変化
妊娠中に膀胱が圧迫されていた影響で、産後もしばらくコントロールしにくくなる。
分娩方法の影響
自然分娩では特に骨盤底に負担がかかりやすく、尿漏れが起こりやすい。
よくある症状
くしゃみ・咳・笑ったときに漏れる(腹圧性尿失禁)
急に尿意を感じて間に合わない(切迫性尿失禁)
尿が出にくい、または残尿感がある
対策・改善方法
骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)
お尻や太ももの力を抜き、膣や肛門をギュッと締めて5秒キープ → ゆっくり緩める
これを1セット10回、1日3セットを目安に行う
日常生活で意識的に骨盤底筋を使う(立つとき・座るときに締める)
姿勢を正す
猫背になると骨盤底筋に負担がかかるため、背筋を伸ばすことを意識する。
便秘を防ぐ
便秘でいきむと骨盤底に負担がかかるため、水分・食物繊維をしっかり摂る。
適度な運動
ウォーキングやヨガで体幹を鍛えると、骨盤周りの筋肉が安定する。
尿意をコントロールする習慣
頻繁にトイレに行きすぎると膀胱の機能が低下するため、できるだけ一定の間隔(2~3時間)を保つ。
