内側側副靱帯(MCL)損傷とは、膝の内側にある靭帯であるMCLが損傷した状態です。膝の靭帯損傷の中で最も頻度が高く、スポーツ外傷全体の約7%を占めています。
MCL損傷の原因としては、次のようなものがあります。
ラグビーやサッカー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツで、膝外側から内側への外力が加わること
スキーなどのジャンプ着地やターン動作など、膝が内側に入るストレスが過剰に加わること
交通事故や転倒などによる外力
MCL損傷の症状としては、次のようなものがあります。
膝の内側関節部に圧痛がある
膝の内側が腫れている
膝の内側が熱くなっている
体重をかけた際に不安定感がある
曲げ伸ばしで痛みがある
可動域が制限されている
MCL損傷の治療は、損傷の程度によって異なります。Ⅰ度とⅡ度の損傷では保存療法、Ⅲ度の損傷や前十字靭帯(ACL)や半月板損傷を合併している場合は手術療法が選択されることがあります。いずれの場合も、まず炎症管理を行い、痛みが落ち着くのに合わせて膝の曲げ伸ばしや筋力トレーニングを進めていきます。
適切な治療を受けずに放置すると、半月板損傷などの他の傷害を合併する可能性が高くなります。
