かなり前ですが、手首を捻って痛めてしまい医療センターの専門医に診てもらいたいので、紹介状を書いてほしいと依頼されました。一度、症状を確認したうえで、手関節捻挫と書いて紹介状を出したのですが、回答書にはCRPSと記載されており、初めてその疾患を知りました。CRPSは、軟部組織または骨損傷後(Ⅰ型)、神経損傷後(Ⅱ型)に分類されます。接骨院に来る患者さんは、主にⅠ型になります。固定除去後に筋力低下、皮膚や骨の萎縮、関節拘縮がみられ、臨床で判断します。症状は長期間持続し、治るまでに1年以上かかることもあります。冒頭の患者さんは、受傷してすぐに近隣の総合病院を受診し、それから1か月以上を経て、当院の紹介状をもって、医療センターへ行きましたが、当院にも関心を持っていただき、専門機器アキュスコープの施術を継続して受けてくれました。全く太刀打ちできない状況下、1週間が過ぎたころ、患部に巻いた導電ゴムシートに微弱電流(0.5Hz 600μA)を出力し劇的に変化しました。2週間で症状の6割が改善し、全く予想していなかった結果に今も鮮明に憶えています。CRPS(Ⅰ型)は、患部をギプス固定あるいは三角巾で吊って動かさずに2週間以上保持し、その間、常に交感神経が高ぶっていると発症のリスクが高まります。仕事や家事、勉強やスポーツで活動モードになっているときに交感神経が高ぶりますので、ギプスやシーネ、三角巾で動きを制限したときは安静にし交感神経の高ぶりを抑えているといいです。