田舎屋

東小金井駅の北口からほど近い住宅街にひっそりとたたずむ「田舎屋」は、一見すると普通の定食屋・居酒屋ですが、その料理のクオリティは割烹から始まった歴史を感じさせる、一線を越えたものがあります。

今回の訪問では、割烹の技術が光る数々の料理を堪能しました。特に印象深かったのは、初体験の梅肉和えと胡麻和えの小松菜和え物。出汁の効いた梅肉和えは新しい発見であり、胡麻和えもその安定した美味しさに頷くばかりでした。

メイン料理の鰤の南蛮漬けは、玉ねぎと共に漬け込まれた漬け汁の味わいが、この店ならではの深みを醸し出していました。通常の定食の約2倍の量で提供され、その満足感は言葉に尽くせないものがありました。

そして、イカフライ。これは「田舎屋」の凄さを象徴する一品で、筋取りの丁寧さやジューシーさは、店主の技術の高さを感じさせます。同席した友人とは、このイカフライだけで長時間語り合うほどでした。

宴会限定のワカサギフライや豚ヒレチーズフライなど、特別な日のための料理も、一つ一つ手間ひまかけて作られた逸品ばかり。特に豚ヒレチーズフライの刻み大葉のアクセントは絶妙でした。

締めに選んだ焼きおにぎりと味噌汁は、この店の割烹としての基盤を感じさせる、満足度の高い組み合わせでした。

二人でシェアし、ビールと焼酎お湯割りを含めても、合計で3千円弱というコストパフォーマンスの良さ。一度訪れたら忘れられない、この「田舎屋」の料理たちは、特別な日だけでなく、日常使いにもぴったりの逸品揃いです。

料理の質、価格、そして居心地の良さを兼ね備えた「田舎屋」は、料理好きならずとも一度は訪れてほしい、隠れ家的な存在です。次回訪問の際には、さらに多くのメニューに挑戦してみたいと思います。