リラックスして座っていると、つい足を組んでしまう方は多いのではないでしょうか。一見、楽に感じるこの姿勢ですが、習慣化すると体のバランスに少しずつ影響を及ぼします。気がつかないうちに左右差が大きくなり、疲れやすさや不快感につながることもあるのです。
足を組むと、骨盤が左右どちらかに傾きます。特に同じ側ばかり上にして組んでいると、片方の腰やお尻に体重がかかりやすくなり、骨盤がねじれた状態で固まっていきます。その結果、背骨や肩の高さに差が出たり、片側の足に重心が乗りやすくなったりと、全身にアンバランスが広がってしまうのです。
また、足を組んでいる間は片方の股関節が閉じ、反対側は開いた状態になります。これが長く続くと、股関節まわりの筋肉に柔らかさの差が出やすくなります。歩くときや立ち姿で片側に体重が偏りやすい方は、こうしたクセの影響が積み重なっていることが少なくありません。
とはいえ、足を組むこと自体が「絶対に悪い」わけではありません。一時的に組む程度なら大きな問題はなく、むしろ姿勢を変えることで血流が良くなる場面もあります。大切なのは「同じ側ばかり繰り返さない」「長時間続けない」ということです。
具体的な工夫としては、座るときに「両足を床につける習慣」を意識することから始めましょう。足の裏全体を床に乗せ、骨盤を立てて座ると、お尻の左右に均等に体重が分散されます。どうしても足を組みたくなったときは、左右交互に組むようにして偏りを減らすのもひとつの方法です。
さらに、デスクワークや長時間の座位が多い方は、1時間に一度は立ち上がり、軽く足を伸ばしたり股関節を動かしたりしてみましょう。
足を組むクセは無意識のうちに身につきやすいものですが、座り方の工夫やちょっとした意識で体のバランスは守ることができます。小さな習慣が積み重なることで、日々の疲れ方や動きやすさは確実に変わってきます。ぜひ今日から「足の置き方」に注目してみてください。