年齢を重ねるにつれて「体力が落ちた」「立ち上がるのが大変になった」「長く歩くと疲れやすくなった」と感じる方が増えていきます。
筋肉の中でも特に衰えやすいのは下半身の筋肉です。
太もも(大腿四頭筋)やお尻(臀筋群)は、体を支えるための大きな筋肉です。これらが弱くなると、歩幅が小さくなったり、バランスを崩しやすくなったりします。その結果、転倒リスクが高まり、外出するのが億劫になるなど、活動量の低下につながることもあります。
また、ふくらはぎの筋肉が弱くなると血流が滞りやすくなり、むくみや冷えを感じやすくなることもあります。
一方で、背中や体幹の筋肉も加齢とともに弱まりやすい部位です。背中の筋肉が衰えると、猫背になりやすく、姿勢の崩れが肩や腰の不調につながることもあります。体幹(お腹まわり)を支える筋肉が弱くなると、動作の安定性が失われ、疲れやすくなるという悪循環に陥りがちです。
では、こうした筋力の低下を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
大切なのは「特別な運動をしようと気負わないこと」たとえば、
• エレベーターではなく階段を使う
• 買い物の際にあえて少し遠くのお店まで歩く
• 家の中で立ち上がる回数を少し増やす
こうした小さな積み重ねが、筋肉の維持に大きく役立ちます。
さらに、簡単な筋トレを取り入れることもおすすめです。
たとえば「スクワット」は太ももやお尻を効果的に鍛えられる万能エクササイズです。椅子の前で浅く腰を下ろすように行えば、安全に実践できます。
また、「かかと上げ(カーフレイズ)」はふくらはぎを鍛えるだけでなく、足首をしっかり動かすことで血流改善にもつながります。テレビを見ながら、歯を磨きながらなど、すき間時間に取り入れると続けやすいでしょう。
筋力を保つうえで忘れてはいけないのが、柔軟性です。
筋肉が硬くなると動きが制限され、力がうまく発揮できなくなります。朝や入浴後に軽いストレッチを行い、深呼吸をしながら全身を伸ばすことで、筋肉をしなやかに保つことができます。柔らかく動ける体は、ケガの予防にもつながります。
そして何より大切なのは、「無理なく続けること」です。
運動は一時的に頑張るよりも、少しずつでも継続することが何よりも効果的です。
1日5分でもいいので、体を動かす時間を習慣にすることから始めてみましょう。