よし邑

東京都板橋区蓮根に位置する「よし邑」は、1000坪の広大な敷地に美しい庭園を備え、伝統とモダンが融合した空間で本格的な日本料理を堪能できるお店です。先日訪れた際、季節感あふれる懐石料理をいただき、その繊細な味わいと美しい盛り付けに感動しました。

まず、先付として「紋甲烏賊と白魚の沼田掛け」が供されました。柔らかな紋甲烏賊と新鮮な白魚が、春色の霰を散らした酢味噌で和えられ、爽やかな酸味が食欲をそそります。

続いて、椀盛には「梅椀 花海老 伊達巻」が登場。上品な出汁に浮かぶ花海老とふんわりとした伊達巻が、山椒の葉の香りとともに春の訪れを感じさせてくれました。

お造りは、その日の新鮮な魚介が二種盛り合わせで提供され、わさびの横には泡状のお醤油も添えられており、斬新な演出が印象的でした。

煮物では「かぶら蒸し 鶏挽き捏ね」をいただきました。とろみのある温かい出汁が、ふわっとしたかぶら蒸しと鶏の旨味を包み込み、口の中でとろけるような食感が心地よかったです。

焼き物には「寒鰤の照り焼き」が供され、脂ののった鰤が甘辛いタレと絶妙に絡み合い、ご飯が進む一品でした。

八寸では、吟醸漬けの玉子や松前漬け、牡蠣の白蒸しなどが美しい器に彩り豊かに盛り付けられ、目でも楽しめる内容でした。

食事の締めには、山形県産の「つや姫」を使用した白粥が登場。添えられた唐墨や叩き梅とともにいただくと、優しい味わいが広がり、心がほっと安らぎました。

デザートには、自家製のプリンが提供され、ほろ苦いカラメルソースが絶妙なアクセントとなり、食後の満足感を高めてくれました。

「よし邑」は、四季折々の食材を活かした懐石料理と、心地よい空間で特別な時間を過ごせる日本料理店です。また訪れたいと思わせる魅力が詰まっています。