卵子には質の良し悪しがあり、質が良いと妊娠しやすい、質が悪いと妊娠できないと言われています。妊活をされている方なら聞いたことがあるかと思います。
では、質の良し悪しには2つの意味があることをご存じでしょうか?
1つ目は染色体異常ではない卵子は質が良い、染色体異常の卵子は質が悪いとなります。
卵子だけでなく精子にも染色体異常があります。
受精した卵子または精子のどちらかに染色体異常があった場合、着床しないまたは着床が維持できずに流産してしまいます。
こちらの質の良し悪しは体外受精で受精卵になっても見た目では染色体異常の卵子なのか正常卵の卵子なのかは確認することができません。
2つ目は、わかりやすく言うと、見た目がきれいかきれいじゃないかになります。
もちろん卵子を取り出して確認することはできませんが、体外受精をすると採卵して受精、培養を経て、移植できる受精卵を凍結します。
この時のグレードが良い受精卵は質が良い、グレードが悪い受精卵は質が悪いとなります。
グレードが良い受精卵には、フラグメントが少なく、グレードが悪い受精卵にはフラグメントが多いのが特徴です。フラグメントとは核分裂を伴わず、細胞質のみが分裂して生じた断片で、着床の妨げとなることが分かっています。要はグレードの良い受精卵は妊娠しやすく、グレードの悪い受精卵は妊娠率が低くなります。
タイミング法や人工授精ではグレードを確かめられませんが、見えないところでこのグレードが悪く妊娠できていないのかもしれません。