(一社)長崎県地質調査業協会は、長崎県内の地形や地質に精通し、地すべりや急傾斜地等の調査・設計や対策工事に数多くの実績を有している会員17社で構成されている団体です。
長崎県は、平野部が少なく急傾斜地の多い地形を有していますので、梅雨期の集中豪雨によって、これまで甚大な土砂災害が発生しました。
また、県北部の佐世保市と松浦市周辺および県南部の島原半島南端部周辺に地すべり地帯が多く存在しています。これらは「第三紀層地すべり」に分類され、とくに県北部の地すべりは「北松型地すべり」と称され、国内でも地すべり多発地帯と言われています。
島原半島南端部の地すべりは、一部で「口之津地すべり」と称され、地質構造的には「北松型地すべり」と類似していますが、規模的には小さいものであります。
他にも、西彼杵半島や長崎半島でも結晶片岩が分布し、それに起因する地すべりも発生しています。
このように、長崎県は地すべり地帯や急傾斜地の多い地域ですので、これからも自然災害の発生が懸念されます。一度災害が発生すると、避難対策や応急対策のための提案が極めて重要ですので、当協会としましては、長崎県の7振興局及び佐世保市と「大規模災害時発生時(地すべり等)における支援活動(社会貢献)に関する協定」を締結しております。
締結の内容は、災害の種別やその規模を調査し、応急対策の方針や方法等に関する提案、および二次災害を防止するための技術的な方策に関する提案などを行うものであります。
当協会は、災害支援協定をはじめ社会貢献活動を通じて、地域住民の方々が安心して暮らせるように、社会基盤の整備と維持に積極的に取り組んでおります。