脊柱管狭窄症は「歩くと足がしびれる」という印象が強いですが、実は動き出す前から立ち姿勢がつらいタイプも少なくありません。
この状態は、立位保持時に神経や血流が悪化する「静止時狭窄症」に近い特徴を持っています。
海外の研究報告(Malmivaaraら, Spine, 2017)では、患者の約5人に1人が「立っているだけで強い症状」を感じることが確認されています。
なぜ立つだけでつらいのかというと、足裏や関節から脳への感覚情報がうまく処理されないことが一因です。結果として、わずかな重心の揺れにも神経が過剰反応し、腰や脚の筋肉が固まってしまいます。
さらに、椎間板や靭帯が厚くなることで神経が圧迫され、立位時の血流低下や酸素不足が発生し、痛みやしびれを助長します。
改善には、
・靴やインソールでの荷重調整
・神経とバランス感覚の再トレーニング
・背骨の動きを回復させる施術
・循環を促す軽い運動
こうした複合的なアプローチが欠かせません。
「立つ」こと自体がつらい方は、筋肉ではなく神経の立位機能を見直すことが鍵となります。