昼と夜ではイメージが異なる店だろう。昼は純粋にそばを味わう向きにおすすめ。「せいろ」650円(大盛り200円増し)は、幻の蕎麦とされる黒松内産、完全無農薬の「奈川在来種」ということを考えれば破格の料金。それも十割の限界に近い細打ちで、コシ・のど越しとも文句なし。つゆも辛口で、蕎麦通満足の逸品といえる。
昼は天ぷらや小鉢などがついたセットメニューも1000円程度で味わえ。お得。また、昼・夜共通のセット「華」はせいろに手づくり豆腐と天ぷらがついて1300円と、こちらもお得だ。
夜は、ほろ酔いセットともいうべき「そば屋酒」1500円がおすすめ。お酒にせいろ、手づくり豆腐、イカの丸干し又は天ぷらがついた酒党大喜びの晩酌セットである。
なお、青森県産本鴨(フランス鴨)を使った「つけ鴨せいろ」1200円も、他店に比べてリーズナブルといえる。
2013年7月22日、久しぶりに知人を伴ってこの店を訪ねた。いつものお昼の時間帯。この店を教えてくれた人からの情報で、冬の期間中は夜の部を休んでいたとのこと。温かくなった春、5月から再び夜の部も復活したことを、店でその時確認した。誠心誠意、まさに誠実で丁寧な仕事ぶりは相変わらずで、十割の細切り手打ち蕎麦は相変わらず旨かった。だが、月曜日とはいえ、お昼時に、客は私たちのほか2組のみ。ちょっと心配になった。
心配は的中した。それから数日して、女将から手紙が届いた。この8月いっぱいで、店を閉じるとのこと。そこには、ご主人がさらに修業を重ねるため、とある。誠に残念。
現在の予定としては、営業は8月14〜16日のお盆休業のほかはいつもどおりで、8月31日までの予定となっている。この店を訪ね、気に入った方は、残りわずかなので、ぜひ訪ねてあげてください。