日本整形外科学会・日本腰痛学会の腰痛診療ガイドラインによると、原因が不明な腰痛の85％は正確な判断が困難と記載されています。これは、整形外科でも腰痛の原因がわからないことが多いということを意味しています。
腰痛への一般的な改善法として、腰の痛みやしびれに対してコルセットなどの器具を使用してしまうと一時的に楽と感じるかもしれませんが、腰や骨盤周囲の筋肉を固めてしまったり筋力低下、筋肉や筋膜のコリを助長することになり逆効果の場合が多いことがあります。
また、湿布・痛み止めの薬・ブロック注射に関しても、薬の効果によって一時的に痛みを感じなくさせているだけであり、根本的に改善している訳ではないため、薬の効果がなくなれば、繰り返し痛みが出現してしまいます。
腰痛の改善には、腰だけを施術するのではなく、しっかりあなたのお体の状態を調べて、その根本的な考えられる原因を見つけ出していくことが重要となります。
腰部は身体の中心であり、腰部や骨盤周囲にはたくさんの筋肉や筋膜などの組織があります。その中の脊柱起立筋・腰方形筋・腸腰筋は重なるように骨盤または大腿の骨に付着します。
また、背骨（腰椎・胸椎・頸椎）は骨盤から首のまで繋がっており、様々な筋肉・筋膜・靭帯・組織が関わっているため、良い姿勢を保つためには腰部の筋肉だけではなく、胸部・頚部・肩甲骨周囲・臀部・足の筋肉のバランスが非常に重要となります。
腰部に負担をかける考えられる要因は、立位姿勢や歩行などの足底からの刺激が足首→膝→股関節→骨盤・腰部に伝わるものと、座位姿勢などの首→肩・肩甲骨周囲→胸部→腰部に伝わるものがあります。
人間が立つ・座るときには多くの筋肉や筋膜などの組織などが微妙なバランスを保つことで姿勢を支えています。このバランスを保ち合っている筋肉や筋膜などの組織が同じ姿勢で立ち続けたり、長時間パソコンや携帯の使用などで座り続けたりして、不良姿勢となることで、首や肩甲骨周囲、足首や膝周囲のバランスを崩すと姿勢の歪みが生じてしまい、反り腰や骨盤前傾、猫背やストレートネックとなり、結果的に腰部に負担が集中してしまい腰痛を引き起こします
