ヘアアンドフェイスＳａｋｕｒａインターナショナル

若かりし頃、当然のようにオシャレに目覚めました
当然のように最新のヘアースタイルを求めます

ヘアーカタログを持って、小さな頃から通っていた床屋に行ったら
「できるか他に行け！色気づきやがって」
とアドバイスされました

さて、都会の最先端のお店を目指します
しかし、なかなか予約はとれません
やっと予約がとれて行くと…
(恥ずかしいのでヘアーカタログは持って行きません)
緊張のあまりイメージを伝えられません
言われるがままにハサミを入れられます
「いい感じ…」
うわずった声で答え
お会計で腰を抜かし
家で鏡を見ながら不自然な最新のヘアースタイルを見ながら次のお店を探す

こんな不毛な放浪を続けていた日々
「おすすめだよ」
と教えてもらったのがこのお店
早速予約をして行きました

「割とオシャレじゃん」

案内されるとカッコイイお兄さんが背中に立ちます
鏡を見ながらイメージを伝えます
あの変な緊張感を感じません
優しくクシをあてながら聞いてくれます
そしてハサミが踊り始めました

シャンプータイム
気持ちいい
シャワーと指で優しくマッサージ
思わず寝てしまいました

最後にブローされると鏡の中にはカッコイイ青年がいます
家に帰って鏡を見るとニヤッと笑う青年がいます

それから通うようになりました
もちろん、あのカッコイイお兄さんを指名
ちゃんとカルテが残してあって、すんなりとカッコイイ青年が生まれます

ところが残念なことにあのカッコイイお兄さんがお店をやめることに…独立して「都会」にお店を出すとのこと
「ウチに来て欲しいけど、カルテ引き継いでもらうから安心して」

次に背中に立つのはカワイイお姉さん
でも、変わらずカッコイイ青年は生まれます
話によると、この辺の美容師はここで修業して「ヘアーアーティスト」を目指すそうです
しばらくするとこのお姉さんも独立…

担当が変わるたびに新しいヘアースタイルにチャレンジしています
そして、あの頃のカッコイイ青年は今ではイカしたおじさんになって店を出て行きます
変わらないのは、シャンプータイムで寝てしまうこと