口コミ
都立大学での仕事を終え、秋雨を纏いながら目黒通りを歩いて学芸大学駅へ。この日の選択は、和食割烹「兆八」。静かな商店街に佇むこの店は、和の心と料理の奥深さを存分に味わえる場所です。
店内は穏やかで、訪れる客を温かく迎え入れます。日本酒を常温で味わいながら、店主手書きのメニューから選んだ【御刺身の盛り合わせ】は、期待を遥かに超える美味しさ。特に、笹に包まれたコハダの握りとキノコたっぷりの掻き玉汁は、素材の香りと味わいが際立ちます。
活けの赤貝やツブ、さらにはヒラメやスズキの昆布締めなど、一つひとつの料理が繊細でありながら力強い味わいを放ちます。赤貝は貝殻に盛られ、ツブは歯ごたえと旨味で心を満たします。秋刀魚の幽庵焼きや豚の俊寛煮、里芋のからあげと続く料理たちは、季節の移ろいと職人の技を感じさせる逸品ばかり。
店主のこだわりは、料理だけに留まらず。厨房に貼られた「我」という一文字からは、料理を通じた自己反省と向上心が伝わります。長年の経験を持つ店主から学べることは多く、その語り口からは、料理への深い愛情と敬意が感じられます。
この訪問は、ただの食事以上のものでした。心和む美味しい料理と、心を込めたおもてなし。そして、料理を通じて伝えられる人生の教訓。和食割烹「兆八」で過ごした時間は、料理の奥深さと、人としての成長を感じさせる貴重な体験となりました。次回訪れるときは、青々とした銀杏を楽しみにしています。この店とのご縁に感謝しながら、また訪れる日を心待ちにしています。
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