「なぜかイライラする」「すぐに涙が出る」「疲れているのに無理してしまう」といった心の揺らぎ。これは誰にでも起こりうることですが、東洋医学では気血の巡りや体のバランスの乱れが関係していると考えることがあります。今回は、感情が揺れるときに実践できる東洋医学的なセルフケアを、やさしくご紹介します。
●感情と体のつながり – 東洋医学の視点
東洋医学では、「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」と「感情」は密接に関係すると考えられています。例えば、イライラが続くときは「肝」の気の巡り(気滞)が滞っている可能性が、心が疲れ脾の働きが弱まると「心脾両虚」といって、疲れやすさや気持ちの不安定さなどが同時に現れることもあります。
●感情の波を穏やかに整えるセルフケア
1. 体の巡りを整える:深呼吸とストレッチ
イライラしやすい時に。朝起きたら背伸びをして深呼吸3回。肩甲骨をゆっくり回して肩周りのコリをほぐしましょう。
おすすめのツボ:太衝(たいしょう) 足の甲、親指と人差し指の骨が交わるくぼみにあります。イライラや緊張感、頭の重だるさなどに良いとされるツボです。3秒押して3秒離すを数回繰り返してみてください。
2. 心と体をいたわる:食と休息の工夫
心が疲れやすい、くよくよ考えてしまう時に。朝食を抜かず温かい汁物を一品。夜は就寝1時間前にはスマホを手放し、ゆったり過ごすことが大切です。
おすすめのツボ:内関(ないかん) 手首のしわから指3本分下がった中央にあります。不安や緊張で胸がざわつくときや、気持ちの落ち込みなどに良いとされます。深呼吸と合わせて行うと効果的です。
3. 感情を整える「香り」の力を借りる
香りは心と体のバランスを保つ一助となります。
柑橘系(オレンジ、ベルガモット):気持ちを明るくしたい時に。
ラベンダー:気分の波をなだらかにしたい時や、安眠のために。 ハンカチに1滴垂らしたり、ティッシュに含ませて枕元に置くだけでも心がほっとゆるみます。
●自分の感情を大切にすること
環境の変化や日々のプレッシャーで感情が不安定になることは珍しくありません。特に女性は、季節やホルモンバランス、生活のリズムに影響を受けやすいものです。そんなとき大切なのは、「自分の感情を否定しないこと」。心が揺れるのは、体からの大切なサインでもあります。

