知らない内に2号店が出来ていた「シタル」。しかも場所は吉祥寺のコスモビル3階。撤退してしまったシャンティ・サガーに替わって吉祥寺で北インド料理の代表店になれるのか!?...なんて事はどうでも良くて、とりあえず覗いてこなくちゃということで行ってきました。この場所って贔屓のパトワールのはす向かいだし、同じビル2階にはインド映画のDVDやら小物、服を扱うはるばる屋が入っているしで、リトル〜プチ・インド(どこがぁ?)。ワクワク
しますね(それ、お前だけだって)。
この日オーダーしたのは
ミニ・ミックス・タンドール(780円)
ナ ン(280円)
チキン・ヴァルタ(990円)
前菜に選んだのは、3つの味が楽しめてお手頃価格のミニ・ミックス・タンドール。ムルグ(鶏)・ティッカとマチュリ(魚)・ティッカ、シーク・カバブが各1ピース。この店独自の美味しいチャトニも付いてきます。チャトニを2匙ほど料理の皿によそい、右手で一口大に千切ったナンで料理を押し崩し、ナンで摘んだ料理をチャトニになすりつけて食べます。骨付き肉ではないのでこの作業もスムース。3つの中ではやはりシーク・カバブが一番ウンマいかな。チャトニとも良く合います。タンドール料理を片付けるのに、ナン1/2を消費。
続いてカレー。「粗挽きチキン」と説明されたのでてっきりチキン・キーマのカレーかなと思っていたら、刻んだチキン・ティッカを具にしたチキン・ティッカ・バター・マサラっぽいカレーでした。凄くザッパに言えば辛口のバター・チキン(?)。確かロンドンが発祥でインドに逆輸入された料理ですが、ここのはそれをシンプルかつマイルドに仕上げた感じ。クリームの回しがけやコリアンダーのスプレッドは無く、針生姜のトッピングだけなので見た目は地味ですが、歯応え、味の浸み具合ともナイスな鶏肉にトマト多めで酸味、辛味、甘味のある濃いグレイビーが絡まってなかなかのお味。プレートによそってナンで摘んで食べたり、カレーだけスプーンで食べたりして完食。この店ってバタチキも好い線行ってますし、このチキン・ヴァルタが鶏カレーの両雄って感じで共にお薦めです。
全体に食べやすいテイストになっていることは否めません。もっと香り高くスパイシーな料理が好きな人には、「ちょっと物足りない」と感じられるかも。でも上記2点の他ほうれん草グレイビーのパラク系など濃厚なお味でウンマいですし、街場のインドカレー屋さん、つまりありふれたネパ式の店に較べれば本格度は上(かな?)。私は吉祥寺で本格インド料理の選択肢が増えて有り難いなと感じています。
そう言えばチキン・ヴァルタって、某南インド料理の実力店ではチェティナード風のチキン・マサラの品名になっていたのを思い出しました。料理名はレストラン毎に案外適当に命名してるんですかね。特に馴染みのない料理なんか(日本人に分かり易く工夫したという側面もあるでしょうが)店毎に色んな名前があるような気もします。店毎レシピも差異があるでしょうから、気がつかないと「似てるけど違う料理」なんて受け取り方をしてるかも知れません。本場は本場で深過ぎる位奥が深いですが、日本のインド料理屋業界も謎が多いですね。