肥後屋

ウン十年も前のことですが、サークルの先輩に連れられて初めて肥後のれんの熊本ラーメンを食べたのがきっかけで、豚骨ラーメンの虜になりました。当時は豚骨ラーメンがまだメジャーではない時代でした。
最初はグラグラ煮立ったスープと獣のような強烈な香りに衝撃を受けましたが、それがまた魅力となって、すっかりリピーターに。新宿のラーメン店では肥後のれん派と桂花派に分かれていましたが、私は柔らかい麺と入りやすい雰囲気の肥後のれん派でした。
いつも注文していたのはぱーこーめん。角煮の肉と豚骨スープが絶妙にマッチしていて美味しかったです。最近、久しぶりにぱーこーめんを食べましたが、当時の活気はなく少し寂しい思いもしました。しかし一口食べると、当時のおいしさが甦ってきて、良い思い出となりました。
今では豚骨ラーメンが一般的になり、濃い味に舌が慣れてしまいましたが、肥後のれんは控えめな味わいが特徴的です。あの頃を思い出させてくれる、懐かしい味に出会えて嬉しい限りです。食べ慣れた味は心に残る良い思い出を呼び起こしてくれます。語り草にもなる、素晴らしいラーメン体験ができたお店だと実感しています。