私ども「時代おくれのスマートハウス実行委員会」は姫路市を拠点にして“家を安く建てる”社会事業をしています。
建て主の方々は、市場価格の3分の2、普通1500万円かかる家を1000万円で建てています。
「日本の家は高すぎます。家を安くすれば、日本国民が豊かになります」
実際の家づくりを通じて、このメッセージを多くの方に届け、日本の家づくりを良くしようとしています。
家が高いことで、日本国民は疲弊しています。
政府の住宅政策は刹那的な産業経済効果しか考えていません。
この数十年、そんな政策に踊らされて家を買った人たちが、豊かな消費ができずにいます。
それが、日本国民が豊かな生活を送れないことの根本原因です。
一方で、建設職人たちの待遇がどんどん堕ちています。
ものづくりの主人公である、現場で働く人たち(この人たちも消費者です)が、豊かになれません。
政府がいくら新築に補助金を出そうとも、家の価格が下がれば、税金の投入は要りません。
着工戸数が伸びていけば、家電製品などの買い換え需要も起こります。
建てた後でも住宅ローンの負担が少なければ、その分家計が楽になり、消費に回せます。
私は住宅建築を“昔ながらの”大工と地元の職人が建てる家づくりに戻して職人の生計を確保し、同時に同時に施工面の工夫によって大工の経験の多寡が品質に影響しない家づくりの仕組みを構築しました。
家づくりを簡易にして、経費をできるだけ安くして、誰でも個人ビジネスとして住宅の供給者になれる仕組みを構築しました。
住宅建築は、企業組織の営利事業から、昔ながらの個人や地域団体の社会事業に回帰させることが可能です。
すると、担い手となった住まい手も、これから家を建てる建て主も、作り手である末端職人も、みんなにメリットが生まれるのです。
さらに、地域の商工団体や非経済団体、あるいは公共団体が担い手となれば、まち作り活動にもなり得るわけです。
私はこの社会事業に参画する担い手の方たちを「駅」と呼んでいます。
「家の駅」、そしてその小規模版の「町家の駅」。
決して一部の層に利益が偏らない、ボランティアネットワークとしての家の「駅」が大きく広がった社会は、きっと豊かな生活ができる社会であろうと確信します。