そのとき、Rちゃんはページごとの短い文を読みながら、「これは『詩』だよね」と何気なく言ったのです。そこで私が、「よし、じゃああとでRちゃんも詩を書いてみよう」と提案して、彼女もいやがらなかったので、冒頭ご紹介した「詩を書く」授業になったのです。
「本人の気持ちがそこへ向かっていく」ことは、表現にしろ勉強にしろ、とても重要な要素です。そしてもう一つの「仕掛け」は、かねて「しりとり作文」でもとりあげているしりとりでした。「詩を書く」ことに本人の気持ちが向いていても、何しろはじめてのことですから、与えられたテーマで書かせるのはよろしくありません。そこで私と二人でしりとりをし、自分があげた十のことばの中から、本人が「ダルマにする」と決めたのでした。
さあ、実地に詩を書く段階まですすみましたが、やはりはじめてのことですから、最初の1行を書くまでは、すこし悩んでいました。そこで私が手助けしたのは、「どんな言葉でもいいんだよ。たとえば、だろまさんがころんだ、とか。」という内容だけで、しばらく考えていたRちゃんは、だまって「まっかないろできれいだな」の1行目をつづってくれました。
このようにして、今日は小学1年生のR・Iさんが、自分の考えですてきな「詩」を書いてくれました。最初に体験授業に来てくれたのが、年長さんだった去年の12月のことでしたから、言問学舎での勉強が、ほどなく満1年となります(通塾は年長さんだった今年の1月から)。本を読んだあとの感想文は一度書かせたことがありましたが、本人の気持ちが熟していないときに、無理にすすめたことはありません。生徒の気持ちが動くとき、その子自身の持っている感性と力をうまく生かして、言葉による表現を実践してもらう。これもまた、国語を知り、読解力を高めるたいせつな「真の国語」の勉強のひとつです。
ひとつ前の記事の通り、冬期講習は小学生限定で1科目2コマの無料体験受講が可能です。多くの方のご参加をお待ち致しております。
カテゴリー別
日付別
概要
住所
東京都文京区西片2丁目21−12