もともとの1000点満点のうち内申点(調査書点)は300点で、実技4科2倍換算後の65点でこれを割ると約4.6点になりますから、概算で主要5教科は通知表の1点が4.6点、実技4科は9.2点に相当します。英語スピーキングテストは評価1段階の違いが4点ですから、おおむね5教科の通知表1点弱にあたるものと言えます。心配し過ぎることはありませんが、もし受けていないと通知表の4点以上が最初からない勘定になりますから、軽視することはできません。受験生のみなさんは、これまでの努力をこのスピーキングテストで無にしてしまうことのないように、しっかり対策をする必要がありますね。また7月7日から学校で学校で申し込みがはじまるようですから、申し込みを忘れたりしないよう、十分ご注意下さい(受ける受けないが任意ではありません)。
なお巷では制度導入に反対の声も上がっているようです。そこにみられる大きな懸念材料は、おおむね以下のようなところです。
・国が大学共通テストでの民間テスト導入を見送ったこととの整合性。
・実際の運営には業者が当たるが、実施業者に個人情報漏洩の過去があり、不安が残る。
・タブレットを前半、後半と「2人で1台」使用としているが、運用上懸念がある。
・前半受けた受験生から後半受ける受験生に内容が伝わるケースも出るのではないか。ひとつの試験で実施時間が2度となるのはおかしい(前・後で別の内容として然るべき)。
・区によって、業者の対策テストの実施状況にばらつきがあり、ほとんど実施していない区も存在する。すなわち、入試の公平性に疑問符がつく。
・重要な制度なら、拙速を避け問題点を解決した上で、長く信頼される制度運営を図るべきだ。
このひと月ほど目にしているのは以上のようなところですが、いずれにせよ実施が公表されている以上、受験生としては万全の備えをしておく必要があります(先述した通り過度の不安を抱く必要はありませんが)。言問学舎でも、夏期講習以降状況を注視しながら、必要な指導体制を組み、指導を実施する方針です。
私どもは塾の生徒たちと多くの受験生のためにできることをするほかありませんが、中学生に教えることも多い森鷗外の『最後の一句』が、心に浮かぶことの多いこの日頃です。
「お上(かみ)のことにはまちがいはございますまいから。」
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