また報道では、「男女別定員(募集)」は東京だけ、という面が強調されていますが、東京以外のいくつかの県には、公立の女子高校が存在しています。いわゆる男女別学で、その是非については学力だけではない別の考察が必要になりますし、一方東京には古来私立の女子校(現在は中・高一貫型が多数)が多くあります。いわゆる高校の授業料無償化で、私立高校への進学の選択肢が幅広くなっている現状から考えると、一概に都立高校の入試制度だけを取り上げて「女子が不利」と決めつけるのはいかがなものかという見方もできるでしょう。
さらに、受験者・進学者の経済面への対応の幅が広くなっている今、かりに「男女まとめての都立高校入試」がすぐ実施されたら、高校募集を行なっている私立学校は、経営戦略の大幅な見直しを余儀なくされるでしょうし、高校募集のない中高一貫の私立学校(入試は中学だけ)にも、影響は及ぶと思われます(都立トップ校に入りやすくなるなら無理して中学受験をしなくていい、と考える家庭も、当然出て来ることになるでしょう)。それは各私立学校が経営努力で対応するべきこととしても(もちろんわれわれ塾も、受験戦略の組み換えを要します)、ここまで述べて来たようなことがらの総体が、その変化の時に直面する多くの子どもたちに、良質な教育の機会の確保という意味で、不利益になることがあってはならないということが、もっとも大きな問題であると、私は考えるものであります。
むろん、先に引用した通り、東京都教育委員会の公式発表は、<男女別定員制の緩和>について「段階的に移行する」ということです。そして現中3のみなさんの来春の受験は現行制度の通りです。中2以下のみなさんも、ある日とつぜんすべてが変わってしまうということではありませんから、今はまず自分の現況での勉強を、しっかり続けていて下さい。言問学舎は多くのお子さんたちの勉強、受験をお手伝いする立場として、折にふれこの東京都立高校の<男女別定員制の緩和>の情報、注意点などを、お伝えして行く所存です。入塾・通塾の可能性の有無にかかわらず、高校入試に関することでご質問のある方は、お気軽にメールフォームからお問い合わせ下さい。
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