今月はじめから全国の大多数の学校が休校となり、1週間が経過しました。現高校2年生、中学2年生及び小学5年生のうち来春中学受験を予定している方たちに、この時期に気をつけていただきたいことを、お話ししたいと思います。
みなさんは、過去に日本では誰も経験したことのない状況に、置かれています。もちろん、八十年近い昔にあった第二次世界大戦のさなかには、学校に行けないばかりか食べるものも着るものも不足して、さらには生命の危険にさらされるという時もあったのですが、それは今現在の状況と比較するべきことではありません。昭和の後半から平成、そして現在の令和にかけて、小・中・高校生が一斉に3週間(春休みを含めれば1ヶ月)もの学校休業という環境に置かれたことはなく、特に来春受験の方たちは、後世から見れば非常に特殊な状況にあると言えるのです。
さて、みなさんに気をつけていただきたいのは、こうした特殊な時だからこそ、自分の足もとをしっかりと見て、勉強をして下さいということです。わかりやすい例をあげましょう。何かの病気、もしくはけがで、10日ほど入院したと仮定します。手術などを受けたのでなく、入院中も元気に病院の中を移動して、「自分は元気だ」と思っていても、いざ退院してみると、思うように体に力が入らず、家の中にいても自分の体が何となく頼りない、そんな感じになることがあります。
この休校明けのみなさんの学力にも、同様のことが起こるはずです。しかもおそらく、それは来春の入試の頃になって、「何かが抜けている」感覚としてあらわれることでしょう。具体的に○○の単元が抜けている、ということではなく、本来継続して積み上げられる「勉強の体力」が、この1か月を遊んで過ごすと、損なわれてしまうのです。
それを避けるためには、学校には行かないにしても、勉強をするしかありません。学校から出された課題だけでなく、今まで習って来たことの復習を、しっかりやることです。
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