ところで、「国語が苦手、きらい」な子が、21世紀になって突然増えたわけでもありません。先述した90年代にも、「大学生の国語力低下」が言われていましたし、40年前、50年前にも、もちろん国語が苦手な子は大勢いたのです(ただ、「読んでも何も感じない」と公言するような子は、少なかっただろうと考えられますが)。その意味では、2010年代の現在とて、子どもたちの国語に対するかかわり方は、「変わっていない」とも言えるわけです。文章を読むこと、そして考えて書くことが苦手な子どもは、いつの時代にもいるのが当然だ、というのも、一面また真実だと言えるでしょう。
さて、ではどうすれば、国語力を身につけることができるのか。これが本題です。そして答えは、かなり単純なのですが(しかし、決して簡単ではありません)、正しい音読をし、国語そのものに親しむこと。そして、言葉そのものの持つ力を思考と体感の両面から吸収し、自分自身の力に置き換えて行くことです。
言問学舎では、「音読と読解、表現」の授業で、このことを実践しています。去年の秋から通っている小学生のお母様は、「読むことが楽しくなり、書くことにも自信が持てるようになったようだ」という意味のことを、先日言って下さいました。「正しい音読」とは、文章の意図するところが子どもにしっかり伝わるような音読のことですが、いま一つ、それは子どもにとって「楽しい」ものであり、もって国語が「きらい」から「好き」になる最初の架け橋であるのです。
そして、言問学舎オリジナルの読解シートで、読んだ文章の内容について無理なく考えたことを書き出して行き、最後に短い感想文にまとめることで、「読み、考えて、書く」という国語のもっとも大切な過程を十分に経験することができるのです。冬期講習では、『ごんぎつね』について新規に作成した読解シートを使って、学校の授業ではだいぶ苦戦していたという子が、親御さんが感心されるほどの感想文を書き上げることができました。
カテゴリー別
日付別
概要
住所
東京都文京区西片2丁目21−12