先日の本欄で、「内申点」を上げるために「提出物」が大切だということをお話ししました。ひきつづき、その内申点が実際にどのように使われるのか、お話ししたいと思います。この時期、受験校選びで悩んでいる方も多いと思いますので、昨年のこの時期にお伝えした内容に手直しを加えたものでありますが、有益な情報としてお知らせ致します。
内申点が大きくものを言うのは、都立高入試と私立高の推薦入試、併願優遇入試です。 現在、東京都内に住む中学生の高校受験に関して言うと、その大半の部分に中学校から出る調査書点、いわゆる内申点が大きく関わって来ます。都内では基本的に中3の二学期の数値が使われます。対象別に、順を追って説明します。
・私立高校のうち、難関大学の附属高など
9科合計38、かつ5科合計22(明大明治)、9科合計40(早大高等学院)などの内申があれば、推薦入試に出願可能(合・否は試験の結果次第) 。
・多くの私立高
9科36、5科20などの内申があれば、単願で基準クリア
〃 併願優遇相談可
※以上の私立高の基準は、それぞれの学校ごとに決められているものです。「基準クリア」 、「相談可」とは、きちんと勉強して受験すればほぼ大丈夫だろう、というラインです。
ただし、適性検査などが課される入試では、その結果が悪い場合は不本意な合否結果となる場合もあります。これらは各学校の決定する事柄ですから、必ず自分が受験する年度、現中3生なら2026年度の募集要項、説明会の相談でご確認下さい。
・都立高
内申点(300点に換算)と入試の当日点(700点に換算)を合計した1000点+スピーキングテスト20点の総計1020点で、高得点者から合格決定。例をあげます。
例)内申素点40(5科22、4科18)の場合、300点換算で2677点になります。「Vもぎ」の令和7年受験資料では、小山台高校は「1000点満点」の840点、北園高校は815点となっています。それぞれの点数から267を引いてみると、
小山台高校 573点
北園高校 548点
となりますね。これは700点換算の数字なので、実際の当日点では小山台で405~410点ぐらい、北園で390~395点ぐらいが、いわゆる「合格の目安」となります。
内申素点がオール4の36だと、300点換算は240点となり、小山台で425~430点、北園で410点前後となります。それより内申素点が少ないと、これらの高校は受験自体がかなり困難となってきます。つまり「内申次第」で、受験できる学校がかなり絞られてしまうということが言えるわけです。
また、私立難関校の一般入試を狙う人は、「内申なんか関係ないよ」と思いがちですが、実際に入試の時期が近づくと、併願優遇で「押さえ」を固めよう、ということを、ほとんどの人が考えるようになるものです。わかりやすい例では、慶応義塾志木高校に進学した子が志木高校や義塾高校の推薦→一般と受験する時、大規模塾で一緒に勉強している仲間たちの多くが、「内申がないから一般受験しかない」と言っていた、という事例があります。
こうして考えると、高校受験をする多くの人が、少なからず内申点がかかわる入試を利用するのだということがわかります。先に紹介した慶応の附属で一般一発勝負の人たちも、何割かは併願優遇を取っていたことでしょう。
都内の私立高校で、「推薦を一切やっていない高校」をピックアップして、その定員から、「内申点を必要としない受験枠の割合」を求めることはできます。しかし、その高校だけを受ける人はほとんどおらず、一定数以上が併願優遇や都立併願をするであろうことを考えると、「高校受験で内申点を必要としない人」は、ごく少数の人になるであろうと考えられます。
それほど重要な「内申点」を上げるために、提出物はきちんと出すようにして下さい。また、勉強の内容は、「復習を確実にすること」です。
その手はじめは、冬期講習にあり!冬期講習説明会を、以下のとおり開催致します。多くの方のご来訪をお待ち致しております。
◇冬期講習説明会 日程<11月実施分>
11月15日(土) 10時50分~ / 17時40分~
11月22日(土) 10時50分~ / 17時40分~
11月24日(月・祝)13時00分~
11月29日(土) 10時50分~ / 13時00分~ / 17時40分~
※所要時間は各回とも50分程度の予定です。時間が合わない方は、前後の平日に対応致しますので、メール・電話でご相談下さい。