昨日、私自身の中学1年の時の「夏休みの作文」と、中学3年の時の「日記」を例に、「書くことで記憶が定着する」ことと、「多感な時期に、思うところを思うままに書きつけることの効用」をお話ししました。私個人の体験や思い入れといった枠を超え、それはひろく子どもたち全体に言えることだからです。
夏休みの経験、思い出は、一人一人の子がそれぞれ心の中に秘めているものです。時にそれは、お子さん自身も気づいておらず、文章に書いてはじめてわかった、ということがあります。文章を書くという行為は、自分でも気がついていないか、何となくわかっているけれどはっきり意識していなかったことがらを、自ら認識し、心に刻むことにつながるケースが多いのです。子どもたちに「真の国語」の、文章を正しく読み、ポイントごとに適切な問いかけを提示して考えを書き出させ、感想文を書かせるという授業を長年実践してきて、実際にそうした感慨を述べる子をたくさん目の当たりにしています。
もちろんそれは、夏休み限定のことではありません。しかし、夏休みという「特別な時期」なればこそ、ふだん得られない経験をして「心が動く」チャンスがたくさんあることは疑いないことです。また長い休みで精神が解放されているため(現在は何かと忙しく、決してそうでない子も多くいるとは思われますが、やはり「非日常」の解放感は大きいです)、
いろいろなことを能動的に受けとめられるはずなのです。
閑話休題。いま一つ、私自身の子どものころのことをお話しします。これは国語、文章ではなく、小学6年の時の自由研究の話です。私が小学4年の夏休みから大学卒業直後の5月まで住んでいた神奈川県の家は(現在老母が一人で住んでいます)、小田急線が目の前を通っています。そして6年生の夏休みの自由研究は、文字通り何を題材にしてもよいというものでした。ただ、写真か絵を使ってまとめる、という条件があったのかも知れません。私は熟慮の末、家の前を通る小田急線の電車の写真を撮り、形式ごとに紹介する掲示物を作成しました。
写真を撮ったといっても、インスタントカメラ(いわゆる「バカチョン」です)で白黒フィルムを使った、「撮っただけ」のものです。また現在のようにネットで形式などをすぐに調べられるわけでもありません。
しかしもともとよく知っていた電車群のこと、夏休みの間に写真を撮りながらさらに観察して、形式名だけでなく、わかる限りの特徴なども書き添えました。ちなみにその時撮って紹介した車輌形式は、次のようなものでした。
1800形、2200形、2220形、2400形、2600形、4000形、5000形、9000形
昭和49(1974)年の夏休みに江ノ島線を走っていた車輌形式です。この自由研究をやってからか、その前からだったか、私はこれらの車輌形式を、近づいて来る音だけで当てられる(聞き分けられる)ようになっていました。好きこそものの上手なれ。本を読むのも、まずはお子さん自身が関心を持つジャンルのものからでいいんですよ、と親御さんたちによくお話ししますが、この6年生の夏休みの自由研究の経験も、そのことをあと押ししているのかも知れません。
夏休み前、このあとの夏期講習説明会の日程は次の通りです。全学年、まだ受け入れの余地があります。
◇夏期講習説明会ご案内
7月9日(水) 14時00分~
7月12日(土) 10時15分~ / 13時00分~ / 17時00分~
7月15日(火) 11時00分~ / 14時00分~
7月17日(木) 11時00分~ / 14時00分~
※所要時間は各回とも50分程度を予定しています。予約不要、当日飛び込み参加可ですが、全体説明後の個別相談は予約を含む先着順となります。13日(月)以降の追加日程は、有無を含めて後日ご案内致します。
説明会日程以外の日にも、個別相談をお受け致しております。無料体験授業も随時参加可能です。お気軽にメール・電話でご相談下さい。なお、生徒全員の学習環境を保持する考えから、マスクが苦手でない方にはひきつづき塾内でのマスク着用をお願いしております(入塾後の授業時についてのお願いです)。
多くの方のご来塾をお待ち致しております。大学受験生(総合選抜を含む)も、夏休み前から動くことがきわめて重要。小学生から高校生まで、幅広い層の方をお待ち致しております。ご不明な点などありましたら、メールまたは電話で、お気軽に言問学舎舎主・小田原漂情までおたずね下さい。お待ち致しております。
注)写真は今も現役で走っている8000形です。私が大学生の頃に登場しました。