昨年7月に「東京都内の高校入試の仕組みについて」を発表していますが、先日来お伝えしております通り、来春から都立高校の「分割募集」が廃止されますので、一部改訂し、最新版としてお知らせ致します。
高校受験の際の内申点は、東京都では2学期(2期制は後期中間テスト後)の通知表の評定がそのまま使われます。それがどのように生かされるか、現在の中学生と保護者の皆様のために、改めてお話し致します。
高校受験でどのような方向に進むかと考える時、大別して、都立を受けるか私立を受けるか、そこからプランニングがはじまります。国立や高専、その他都立の専門課程等もありますが、多くの人が選ぶ道を考える時、まずは都立/私立と大きな二つの区分から、というのが常道という意味においてです。
さて、「私立か都立か」という問題にふれる時、東京都内では昨年からはじまった私立高校通学者に対しての無償化のことを、避けて通ることはできません。私立高校の授業料相当分(最大48万4千円)を東京都が支援する制度です。ただすでに多くの報道で指摘されていますが、補助が出るのは授業料分だけですから、入学金や施設費等々でほかに数十万円の出費が必要になることは、押さえておく必要があります。とはいえ、このことはやはり受験生の出願状況に大きな影響を及ぼし、2015年ごろには全日制全体で1.5倍程度だった倍率が、2025年には1.27倍にまで下がりました。またやはり2015年ごろには軒並み1.7倍を超えていた1000点満点750点以上の学校でも、1.5倍を下回るところが散見されます。
そして都立高校入試は、内申点+入試点の1000点満点で判定されます。厳密には、英語のスピーキングテスト20点を加えて1020点満点ですが、スピーキングテストは換算後「20点、16点、12点、8点、4点、0点」となり、普通に勉強して臨めば、最難関校で20点か16点、中堅校でも16点~8点くらいの分布になると思われますので、差がついても4点か8点くらいのことで、大きな問題ではないでしょう。
それより大事なのは内申点、すなわち通知表の評定です。たとえば合格の目安が750点/1000点の高校を受ける人が、オール4の評定だと、内申点は240点になります。この場合入試点で必要なのは510点になりますが、実際の500点満点だと365点が必要です。

しかしオール4に、主要5科、実技4科で1つずつ5が加わると、内申点が253点となり、入試で必要な得点は355点に下がります。都立高共通問題の平均点はだいたい300点を少し超えるくらい、1教科平均60点超というところですが、それだけにある程度勉強すれば平均点を超えた5科320点くらいまでは到達できますが、そこから先で10点、20点と得点を伸ばすのは、容易なことではありません(素内申が9科40を超える人は、400点を超えてからの+10点、と読み換えてください)。内申を4上げれば20点分に相当します。まず都立高校を第一志望とする人は、このように内申点のウエイトが大きいことをご承知下さい。
以上が2025年入試までの「一次・分割前期」についての解説です。そして2026年入試から、「分割後期」入試がなくなりますが、今までも大半は一次・前期で決まっていますから、さほど多きな変化はないとみていいでしょう。
では私立第一志望の場合、内申点はどうなるのか。実は、これも多くの場合で大きなウェイトを占めます。2月10日からの「一般入試」は国・数・英の3科の入試の点数だけで合否が決まりますが、その形でだけ受験をするというのは、危険です。多くの私立高校が「併願優遇」を実施していて、その場合と「単願推薦」を受ける場合、やはり内申点が基準となるからです。推薦がない、または基準が高くて取れない難関校を受ける場合でも、本命の本番の時に全力を出し切るためには、「併願優遇」で万一の場合の進学先を確保しておいて、本命にチャレンジするのが手堅い戦略だからです。
また国立高校も、学校によって基準は各種分かれていますが、何らかの形で内申点が必要です。つまり、第一志望合格のために万全の策を選択し、実行するためには、ほとんどの人が内申点を必要とするのです。
言問学舎の夏期講習は、まずはこの3年2学期の内申を上げること、そしてその後の高校受験を成功させること、そのために万全の体制を組んでいます。夏期講習説明会は、以下の日程です。また事前予約制で個別相談にも対応致します。お早めにご相談下さい。
また夏期講習説明会は、このあと以下の日程で実施致します。
◇夏期講習説明会
6月25日(水) 14時00分~
6月28日(土) 10時15分~ / 13時00分~ / 17時00分~
