令和7年の東京都立高校入試の取り下げ・再提出について、事前に当ブログ(コラム)で詳しくご説明し、実際の志願変更についてのお問い合わせにもお答えします、とご案内しておりましたところ、文京区外在住の受験生の方から、ご相談をいただきました。ご本人とご家庭のご了承をいただいておりますので、このあと都立高校を受験される方々のために、その受験生さんの例をご紹介させていただきます。
そのお子さんは、はじめ駒場高校に出願したそうです。ところが駒場高校は、願書締め切り時点で2.08倍の高倍率。そこで、締め切り時1.42倍の小山台高校への志願変更を検討しているので、アドバイスが欲しい、というものでした。
最初のメールは、実際に受験するお嬢さんご本人からのものでしたから、「こうした方がいい」という内容の即答は、しませんでした。しなかったというより、できないのです。対象者が成人であっても、大きなチャレンジをする当事者の心は揺れやすいもの。特にこの場合、15歳の中学3年生に対してのアドバイスです。安易な回答はできませんし、可能な限り客観的に助言をし、その上でご本人が自分で決められるように、と気をつけながら、メールでアドバイスを差し上げました。
客観的な助言とは、こういう内容です。スピーキングテストを除く1000点満点(うち内申300点/入試700点)で、駒場は845点、小山台は860点が、V模擬の80パーセント「合格の目安」とされていました。それぞれの目安から、ご本人の300点換算内申を引いて、その数字を1.4で割った数値が、本番でこの「目安」に届く点数となります。言問学舎内では、1月に近年の過去問を2回から3回解いて、その平均で志望が妥当かどうかを判断し、受験生と親御さんに伝えますが、このお子さんの場合は、ご判断は委ねました。
ただ、駒場の2.08倍という高倍率では、取り下げ・再提出の結果多少倍率が変わっても(下がっても)合格ラインは下がりにくいはずだ(最終倍率は1.76倍でした。合格最低点は、「目安」から大きくは下がっていないと思われます)、1.42倍の小山台の方が「分がいい」ということを、お伝えしたのです(小山台は最終1.34倍でした)。

「合格最低点」は公表されないため、あくまで経験上の判断ですが(ただし、実際の受験生の生情報をもとにしています)、1000点満点で700点前後の学校の場合、1.3倍前後だった時には、「合格の目安」より数十点低くても、合格しているケースがあります。この点は、模試を運営しておられる会社の分析担当の方とも過去にお話しし、同様の手ごたえであることを確認しております。1000点満点で800点以上の学校の場合、この「幅」は小さくなると考えられますが(受験者の学力層のムラが小さくなるため)、それでも1.42倍の小山台の方が、「目安」をいくらか下回っても合格できる可能性が高いということを、「分がいい」と表現したわけです。
このアドバイスも参考にして下さり、そのお子さんは駒場から小山台に志願変更をし、見事に合格なさいました。メールでお知らせを頂戴し、心からのお祝いを申し上げた次第です(お問い合わせの後、国語と社会のオリジナル教材を、メールでいくつかお送りしていました)。お母様からはメールで「お力添え本当に感謝しております」というお言葉をいただきました。
今年の受験の、貴重なエピソードとして、また何よりも、今後都立高校受験をめざす方々への参考になる生きた事例として、報告させていただきます。
言問学舎の新年度開講に合わせた入塾説明会・春期講習説明会の日程は以下の通りです。中学・高校・大学受験とも、最後まで一人一人に徹底して寄り添い、合格を勝ちとる言問学舎に、夢を託してみませんか。
◇3月期入塾説明会
3月8日(土) 10時30分~ / 13時00分~ / 16時30分~
3月9日(日) 10時30分~ / 13時00分~ / 16時00分~
18時50分~
3月15日(土) 10時30分~ / 13時00分~ / 16時00分~
※各回とも予約不要、当日飛び込み参加可ですが、全体説明後の個別相談は予約を含む先着順となります。
説明会日程以外の平日にも、個別相談をお受け致しております。無料体験授業も随時参加可能です。お気軽にメール・電話でご相談下さい。なお、生徒全員の学習環境を保持する考えから、マスクが苦手でない方にはひきつづき塾内でのマスク着用をお願いしております(入塾後の授業時についてのお願いです)。
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