先週金曜日、21日に実施された東京都立高校一般入試(一次・分割前期募集)の合格発表は、3月3日(月)の午前8時半から、Web上で行なわれます。受験生のみなさんは、結果が出るまで落ち着かない毎日ですよね。お子さんたちは、心配でたまらないでしょうから、周囲の大人たち、とりわけ保護者の方々には、合格発表後の「備え」について、入念に検討し、準備をしていただくようお願いします。
厳しいことですが、合格発表の結果は2種類です。私立の場合、繰り上げまたは補欠合格がある場合もありますが、都立はありません。各校ごとに、出した合格者の何パーセントが入学手続きをするか、すなわち「歩留まり」を予測して合格者を決定し、発表します。そこでもし、翌日までに入学手続きをした人の合計数が定員に満たない場合は、「二次募集」が行なわれます。その二次募集と、あらかじめ一定の人数を分けて募集する「分割後期募集」が、3月6日(木)に願書提出(各高校の窓口へ持参です)、11日(火)に試験、14日(金)が合格発表のスケジュールで実施されます。
では、3月3日(月)の発表後の「備え」を、簡単に整理します。
⓵合格の場合 翌日正午までに入学手続きを行なう。
⓶残念ながら不合格の場合
1 併願優遇などで合格している高校へ進学する→締切り(ほとんど4日)までに入学手続きを行なう。
⓵及び⓶-1であれば、間違いのないよう手続きを行なって下さい。問題はそれ以外です。もし、併願優遇や一般入試で合格している高校がない場合、あるいは決まっている併願校以外の高校にどうしても行きたい場合は、次の2つの手段となります。
2 私立高校の3月3日以降の募集日程で受験する。
3 都立高校の二次・分割後期募集を受験する。
⓶-2はネットで検索すれば、募集のある高校は比較的容易に見つけられるでしょう。⓶-3のうち分割後期募集は、あらかじめ実施される高校と募集人数がわかっていますが、二次募集は入学手続きを締め切ってからでないと、実施するかどうかもわかりません。昨年は、3月1日(土)の発表で4日(月)に二次募集が公表されています。例年、発表日翌日の手続き締め切りの日に公表されますから、今年はおそらく3月4日(火)の発表となることでしょう。
このあとは、調べればわかるデータではなく、経験に基づく実際のところをお話しします。
まず、分割後期の最上位校田園調布高校と、二次募集が実施された場合の上位校で「何点取れば合格が見通せるか」ということがみなさん気になると思いますが、実のところこの「合格ライン」の予測はできません。わかりやすく、上位校の二次募集がなかった場合で考えると、1000点満点中800点以上の上位校で不合格になり、都立にどうしても行きたいと考える人たちは、みな田園調布をめざすと思われます。上位校不合格者でも多くの人は併願校を押さえていると考えられるため、「どこの高校の、どのくらいの点数で不合格になった人が、何人来るか」という推測は、できるはずもないのです。
まして二次募集が実施されれば、それこそどの学力層の人がどこに出願するかなど、まったく見当もつきません。ですからもし都立の二次・分割後期募集を受ける場合で「どうしても『都立』に行きたい」なら、通学の面と大学受験等の進路の両面から妥当であるか仔細に検討し、安全策を取ることも一つの考え方だと言えます。
二次募集がある場合、上位校には志願者が集中します。2024年には日比谷高校で2名、上野高校で1名の二次募集があり、受験者数は日比谷が39名、上野が14名でした。さらに合格者数は日比谷が7名、上野が4名でしたから、「倍率」は日比谷が5.57倍、上野が3.5倍です。昔のように何十倍という倍率になるわけではないのですが、大変な倍率ですから、ここでの合格はかなり難しいということを、知っておいて下さい。
中には、併願校の手続きを済ませているけれども「どうしても都立に」と考える人もいるかも知れません。その場合、どうすればいいかと言うと、もしどうしても都立の二次募集を受けたいときは、正直に手続きしてある私立高校に相談してみましょう。随分前のことですが、弊塾の塾生で二次募集を受けた子は、試験日がちょうど私立校の登校日に当たっていました。が、親御さんが相談したところ、欠席と都立受験を許可していただきました。これはあくまでも各(私立)高校の裁量によりますから、とにかく真剣に相談してみるほかありません。
4日後の合格発表、合格を心よりお祈りしております。
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