2020年度からの大学入試新テストや、同年の小学校からはじまる新学習指導要領では、従来以上に、思考力・判断力・表現力が強く求められるようになります。「学習者が能動的に学ぶ」ことと定義される「アクティブ・ラーニング」も、各局面で百花繚乱とも言うべき広がりを見せています。
目にすることが多いのは、ICT機器などを用いて子どもの関心をひきつける方向のもので、それ自体は可とすべきものですが、それ以前の段階でも、より根本的、根源的に、思考し、表現する力を育てるための勉強の仕方が存在します。それは「国語」での、いくつかの学習の手法です。そのことを、すこしお話しさせていただきます。
◎日本語で「考える」
日本語を母語として育つ人、あるいは学齢期に日本で勉強をする人、そのほとんどが、日本語によってものごとを感じとり、思考を組み立てます。
この日本語=国語の力がしっかり備わっている人は、国語はもちろん、算数・数学の応用問題や社会・理科の思考・記述問題も得意です。それは「考える力」が身についているからです。逆に、日本語=国語の力がない人は、やはり「考える」ことそのものが苦手です。書かれている内容を読み取り、それを自分なりに理解して、組み立て直す、ということができないためです。
◎言問学舎の「音読と読解、表現の講座」
言問学舎では、平成15年6月の創業以来(今月から15年目に入りました)、「音読と読解、表現の講座」(当初「音読」「表現」それぞれ個別だったものを再編)を実践しております。これが、思考力・表現力を直接きたえ、並行して判断力を養って行く、いわば「国語のアクティブ・ラーニング」と言える学習法です。
実際にこの「音読と読解、表現の講座」をメインとして学習するのは、小学4年生〜6年生です。主として15分前後で読み終えることのできる物語を音読し(舎主・小田原漂情の手本の音読につづいて生徒が一文読みまたは段落読みをします)、そして全員で楽しく、かつ正確に読み終えたあとは、言問学舎オリジナルの読解シートで、いま読んだ物語について自分の考えをまとめて行きます(「思考力」の養成)。さらに「読解シート」のチェックを受けたら、400字〜600字程度の感想文を書き上げます(「表現力」の実践)。もちろんくり返しこの学習を重ねる中で、「判断力」も培われてゆくのです。 つづく
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